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バンタム級とフェザー級でWBC王座を獲得した実績を持つ元世界王者、長谷川穂積(35=真正)が9月16日、WBC世界スーパーバンタム級王者のウーゴ・ルイス(29=メキシコ)に挑戦することになり、6日に都内で発表会見が行われた。ルイス対長谷川は、山中慎介(33=帝拳)対アンセルモ・モレノ(31=パナマ)のWBCバンタム級タイトルマッチとともにダブル世界戦としてエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で開催される。長谷川が勝てば亀田興毅、ホルヘ・リナレス(帝拳)、井岡一翔(井岡)、八重樫東(大橋)に次いで日本のジム所属選手としては5人目の世界3階級制覇となる。
2014年4月23日のマルチネス戦
05年にWBCバンタム級王座を獲得してから11年、15度の世界戦を経験してきた長谷川も35歳。14年4月に3階級制覇を狙ってキコ・マルチネス(スペイン)の持つIBF世界スーパーバンタム級王座に挑んで7回TKO負けを喫してから2年、まさに選手生命を賭した一戦となる。6月27日から7月4日まで沖縄キャンプで走り込んできたとあって顔は日焼けしていたが、会見の最中、神妙な表情はほとんど変わらなかった。
悔いのないように
紺のスーツに身を包んだ長谷川は「この2年間、自分でここまでは(大試合の機会を)待つと決めて練習を続けてきた。運よく決めてもらったので、あとは悔いなくトレーニングして、悔いのない試合をするだけ。これがラスト・チャレンジと思っているので悔いのないようにやる」と、何度も「悔いのないように」と繰り返した。そこに背水の覚悟と高いモチベーションが感じられた。
ウーゴ・ルイス
王者のルイスは11年から12年にかけてWBAバンタム級暫定王座に君臨した実績を持ち、現在の王座は今年2月にフリオ・セハ(メキシコ)を初回TKOで破って獲得した。長谷川戦が初防衛戦となる。39戦36勝(32KO)3敗。そんな王者に関して長谷川は「背が大きくて(176センチ)パンチもある。メキシコ人独特のリズムもある。でも、いまの自分の実力を過信せず、いまの自分にできるボクシングをすれば勝てると思う」と自信をのぞかせた。
思わず笑顔も
会見の最中、俯いたり会場を俯瞰したりしていた長谷川が白い歯を見せたのは、グレー地に縦のストライプが入ったスーツを着た山中が「長谷川さんが『会見のときはスーツの色を合わせよう』と言っていたのに、来てみたら全然違った。裏切られた感じ(笑)」と話したときだけだった。そんな会見終了後、囲み取材に応じた長谷川は「不安はあるけれど、若いときのスタイルを取り戻すのではなく、35歳に適応したスタイルで戦えば勝てる。仮に負けても年齢のせいにはしたくない。死に場所が見つかったな、という人もいたけれど、自分では生き場所が見つかった感じ。今回はチャンピオンになることしか考えていない」と、改めて意気込みを口にした。99年11月のプロデビューから17年。長谷川が集大成のときを迎える。