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[一夜明け会見]2016.5.9

井上尚弥と八重樫東が喜びの会見

 昨夜のダブル世界戦から一夜明けた9日、2度目の防衛に成功したWBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(23)とIBF世界ライトフライ級王者の八重樫東(32)が所属先の大橋ジムで会見を開いた。井上は指名挑戦者を相手に最終12ラウンドにダウンを奪う判定勝利で2度目の防衛、八重樫は好戦的なメキシカンと激しいペース争いの末、2-1の判定勝利で初防衛に成功。会見に臨んだ両者の顔の傷が昨日の激闘を雄弁に物語っていた。
 ボクシング人気のバロメーター、視聴率も発表された。
良い経験になったと井上尚弥
 冒頭、大橋秀行会長の「昨日は、大橋ジムの多くの選手が怪我や体調不良にまみれた中、両王者とも防衛できて非常にうれしく思います。昨日は長い一日ありがとうございました」と挨拶して始まった会見。ディフェンシブなダビド・カルモナ(23=メキシコ)に終始ペースを握り続け完勝した井上は「昨日は帰ってからぐっすり寝た。色々な戦いを見せることができて勝ったこと。課題が見つかり経験が積むことができたことが収穫」とコメント。しかし、「最後はしっかりと倒し切りたかった。試合をリードしながら無駄なパンチをもらってしまったのでディフェンス面の強化をしていきたい」と次戦に向けて課題を挙げていた。
 気になる両拳の怪我の具合だが、「多分、打撲だと思う。1ヶ月もしたら痛みも取れるはずなので1週間ほど休んで練習を再開する」と大事には至らないとした。今年は防衛戦を続けながらチャンスがあれば王座統一戦もしてみたいと希望を口にした井上。次戦はオプションを持つ前王者のオマール・ナルバエス(アルゼンチン)との再戦が濃厚だ。
ボクシングが続けられると八重樫
 一方、昨年12月の試合に続き、激闘の傷を隠すためにサングラスをかけての会見となった八重樫は「昨日の試合の映像はまだ観ていないが生き残ったのが何より。あとは反省点だらけで色んなことをもう一度やり直す必要がある。ただ、やるべきことはわかっているので大丈夫」と語った。試合の3週間前に原因不明の左肩肩甲下筋損傷(けんこうかきんそんしょう)と関節唇損傷(かんせつしんそんしょう)を併発したという八重樫は麻酔を打ちながら練習していたと告白したが「怪我はスポーツ選手にはつきもの。言い訳にならない」と潔いコメントを残した。
 拓殖大学ボクシング部の3年先輩で、4月27日に王座陥落した前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志(36=ワタナベ)に話が及ぶと、まだ連絡は取っていないとしながらも「自分が試合をしたところでどうこうではないが、先輩の耳に届けばと思っていた」とし、後輩の意見と前置きしながら「まだ背中を追い続けたい。再起するのを楽しみにしています」と復活を希望した。しばらくは左肩の治療に専念するため練習再開は未定だという。
チーム一丸となりさらに飛躍を遂げる
 大橋会長は「尚弥に関しては勝ちに徹することもできたが最後まで倒しにいこうとする責任感に感動した。八重樫は1ラウンドが終わった後にパンチのタイミングがワンテンポずれていたので厳しい展開を覚悟していたが良く乗り切ってくれた」と大橋ジムの両エースを労った。
成長著しい井上拓真
 アンダーカードに出場した松本亮(22)は試合当日の朝に体調不良になり、初黒星を喫したがしばらく休養して再起するとした。
 東洋太平洋スーパーフライ級王座を防衛した井上拓真(20)はベルトを返上する予定で、世界戦に標準を合わせるとした。プロ3戦目も1ラウンドKO勝ちした井上浩樹(23)は6月26日に韓国遠征し、5勝(5KO)1敗の韓国人選手と試合予定。この興行には日本フェザー級王者の細野悟(32)、前日に移籍初戦を飾ったクウエ・ピーター(27)も出場を予定している。
5.8.ボクシングフェス 有明コロシアム
 フジテレビ系列で放送された平均視聴率は8.8%(昨年末より1.6%上昇) だった。

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