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22日、後楽園ホールで行われた「DANGAN154」のセミファイナルは、かつて全日本新人王を獲得した2人による激突。Sフェザー級11位・三瓶数馬(21=協栄)と粕谷雄一郎(19=石川ジム立川)が拳を交えた。前日計量で試合をするのが楽しみと明言した三瓶とバチバチに打ち合うと宣言した粕谷だが、予想通りの激戦となった。
採点表
サウスポー三瓶が丁寧にジャブを突きながら試合を組み立てるのに対し、粕谷は打ち終わりに右を狙う形でスタート。お互い主導権を握ろうとフェイントを駆使しながらの神経戦に突入。4回、三瓶が左ストレートで膝を揺らせば、粕谷もお返しとばかりにワンツーをヒットさせた。5回、粕谷はボディに狙いを絞り、三瓶のスタミナを奪いにいくと顔面にも右をクリーンヒット。三瓶は左目上をヒッティングでカット。6回、接近戦での激しい打ち合いとなるが粕谷が打ち勝つ。劣勢の三瓶は7回、渾身の打撃戦に持ち込むと
粕谷は一転ピンチを迎える。最終8回は死力を尽くしてのパンチの交換となり、終了後は両者に惜しみない拍手が送られた。採点は割れたが、粕谷に軍配が上がりランキングへの返り咲きを濃厚とした。
楽しい試合ができたと粕谷
左目を大きく腫らしながら会見に臨んだ粕谷は、開口一番「楽しかった!良い殴り合いができた。試合をしながら笑っていたが、三瓶選手も笑っていたのがわかった」と勝利よりもライバルとの打ち合いに満足げな表情を見せた。「途中、左ストレートからの右フックが効いた。一瞬倒れるかと思ったが、なんとか踏ん張った。気持ちでは絶対に負けない自信があった。ただこれからはパンチをもらわずに倒すような試合をしたい」とランカーとしてレベルアップの必要性を訴えた。再びランキング入りが濃厚になったが「ランキング入りよりも漢と漢の殴り合いができた。また三瓶選手とやりたい」と目を輝かせた。
逆転KOのチャンスもあったが…。
一方、7ラウンドに訪れた最大のチャンスを捉えきれなかった三瓶は「平常心を保つことが勝つ要素だと思っていたが、気持ちやスタミナが僕には欠けていた」と唇を噛みしめた。試合を見守っていた協栄ジム坂田健史代表は「技術を生かすためのスタミナ、体力が足りなかった。もっと泥臭い練習をしていこう」と敗因を挙げた。三瓶は前を見据えるべく元世界王者のアドバイスに素直に耳を傾けていた。