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[一夜明け会見]2015.12.30

八重樫の敵は井上?

 八重樫東の劇的な3階級制覇、井上尚弥の別次元の快進撃から一夜明け、それぞれの所属先となる横浜の大橋ジムでは15時から会見が行われた。
元旦から走るという井上
「1年ぶりの試合だったから、緊張して試合内容を覚えていない」
 試合直後はそう語っていた井上だが、今日は「映像で確認をしたらボクシングそのものに緊張感が出ていなかった。1年間練習したものを出せた試合内容に自分でもパーフェクトだと思っている」と表情が清々しい。懸念された右拳のケガもなく、文字通りのノーダメージで試合を終わらせられたことも理由のひとつだろう。
真吾トレーナー(右)
 実父でもある井上真吾トレーナーは「強い左やコンビネーションを打つ練習の成果は出たが、反省材料を見る前に終わってしまったので、相手をもっとさばいてからフィニッシュに持って行きたかった」と指導担当らしい言葉を口にした。
家族サービスと休養期間に入る八重樫
 一方の八重樫は激闘の傷を隠すためにサングラスをかけて現れた。
「王座奪回の実感はそんなにない。負けてなるものかというリベンジ精神と経験が勝利につながった」
 元旦から軽めに練習を再開するという元気な井上に意地を張らず、「長男の冬休みが終わるまでは休みます」と疲れをのぞかせながら口にした。
松本好二トレーナー(右)
 八重樫を指導する松本好二トレーナーは「まずはよく頑張った。本能で攻めたときにディフェンス面で悪いところが出てしまう。そこを改善したい」とコメント。大橋秀行会長は「八重樫には感動して、尚弥にはびっくりした。次は4月か5月に国内で試合をしたい」と今後についてを話している。
所属選手全勝もあって上機嫌の大橋会長
 なお、八重樫はミニマム級のWBA、ライトフライ級のIBF、フライ級のWBCで世界王座を制したことから、次はスーパーフライ級でWBOを狙おうと同会長は思いついたそうだが、「タイトルの保持者が尚弥だったことに気づいてプランは消滅しました」と裏話を打ち明け、記者から笑いを誘った。WBC世界ライトフライ級王者の木村悠(帝拳)、WBA世界同級王者の田口良一(ワタナベ)を八重樫のライバルと見るのが常識的かも知れないが、実は井上が八重樫の偉業を食い止める裏ライバルなのかもしれない。

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