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30日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」のセミファイナルは日本ウェルター級王者、高山樹延(29=角海老宝石)が6度目の防衛戦で同級9位・田中亮治(28=ヨネクラ)を迎えた。
高山がV6
序盤、連敗中ながら急遽挑戦者に抜擢された田中がフットワークを使い、右ストレートを当てたが、3回から高山が見栄えの良い右ボディをヒット。ロープに詰めて攻勢をかけた。後半は5ラウンド終了の公開採点で1、3、4ポイント差でリードを許した田中が反撃。ポイントを奪い返したが、高山はペースを渡さずボディを打ち続け田中を苦しませた。
試合をした感じはしないと高山
6度目の防衛を果たした高山は「徹底的にクリンチされたのでなかなか当てづらかった。KOしたかったが…何を言っても言い訳になる」と勝利にも笑顔はなかった。満足のいく内容ではなかったが勉強だと思って前向きに考えるしかないと語った高山。担当する佐藤トレーナーは「挑戦者がこうくるのはわかっていたこと。わかっていてもできないのは…」と王者に注文を出した。今後については「この階級ではなかなか世界は難しいので辛抱強く防衛を続けて、OPBFのベルトのチャンスがきたらやらせてあげたい」と話すにとどまった。
善戦した田中
一方、敗れた田中は落ち着いた表情で取材に応じた。「1ラウンドから10ラウンドまでそのままいった感じ」と初タイトル戦を振り返った。「もっとファイトを出していけば良かった」とゆっくり話しはじめた田中は、チャンピオンのボディブローに関して「致命的になることはなかったが速かった」と印象を語った。「要所で当てることはできた」と話す一方で、王座奪取に必要なものとして「心技体、全部」とし会見を終えた。
同門の久我と大川
現在、ウェルター級1位にランクされている大川泰弘(31=ワタナベ)はこの試合を観戦。「今日は挑戦者がよく頑張った。チャンピオンは集中していないように見えた。ただ安定のスタミナ。フィジカルの強さはさすが。自分ならボディをもらわない距離にいることができる」と安定王者の攻略に自信を窺わせた。
採点表