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[試合後会見]2015.9.16

教わりました。

 島津アリーナ(京都府立体育館)で開催されたダブル日本タイトル戦。メインで日本バンタム級王者の大森将平(22=ウォズ)が高校の7つ先輩である同級6位の向井寛史(29=六島)を挑戦者に迎え初防衛戦のリングに上がった。
ジャブが冴える向井
 序盤、向井は右ジャブを上下に打ち分け大森の出端を抑えると、左ストレートを伸ばす。対して、大森は向井の打ち終わりに鋭く踏み込み、左ストレートを伸ばす。すると3R、大森の左ボディフックがモロに向井の腹をえぐりたまらず向井がダウン。苦悶の表情を浮かべた向井だが、立ち上がり距離を潰してこのラウンドを凌ぎ切る。4R、好機とみた大森は再度左ボディを痛打。向井は両手をリングにつけ、この日2度目のダウン。しかし、ここも先輩の意地を見せ立ち上がると吹っ切れた様子で大森の大振りに細かいパンチを返す向井。5R終了時点での途中採点は、3者とも大森を支持。迎えた6R、ダメージの蓄積が限界に達した向井の足が止まり、ロープに詰めた大森がラッシュを仕掛けレフェリーストップを呼び込んだ。
30点
 試合後、控え室に戻った大森は「今日は30点でした」と自分の出来に不満を爆発。「向井先輩に色々教えてもらった感じです。ジャブの出し方とか。やっぱり上手かったです。この試合で世界へ行ける証明は出来ませんでした。、まだまだやと思いましたね。ホンマに練習したことが少し出せたくらいで30点です」と大粒の汗を拭った。「もっともっと練習してムダをなくしたい。向井先輩が教えてくれたことを次の試合に活かしたいと思います」と前を向いた。
大森昌治会長
 大森昌治会長は「長かったな、倒したあとが。向井くんの先輩の意地が出た。あれがプロボクサー。あのジャブには手こずった。将平もここで学んで次の次くらいには世界に行かせる」と笑顔で会見を締めた。
悔し涙
 一方、4度目のベルトへの挑戦を跳ね返された向井は「強かったですね」と開口一番、南京都高校の後輩で日本バンタム級チャンピオンに君臨する大森将平を称えた。「大きかったし、体をぶつけ合った時に強いと思った。ビビったんだと思います」と目頭には熱いものを浮かべた。「パンチもメチャあるという感じではなかったけど、ゴツゴツとしっかり打ってきた。スピードがあるわけではないけど、あのリズムは独特でした」とチャンピオンの印象を語った。今後は基礎体力のアップを図ってバンタム級を主戦場に再起する。
 「強かったね。大きさが違う。(向井は)フライ級でやってたんやから」と向井の技術を持ってしても体力差は埋めきれなかったことを認めた六島ジムの枝川孝会長は「若さと勢いの差も出た。計量の後におにぎりを三つも食べてたし、少々パンチをもらってもかまへん、って思ってきよったもんね」と続けた。それでも「ダウンした後のラウンドは吹っ切れた感じでいい動きが出せた。まあ、最初からできたらええんやけど」と向井を労った。
 南京都高校OBによるバンタム級戦線。22日はいよいよ真打ち、WBC世界チャンピオン山中慎介(32=帝拳)がバンタム級世界頂上決戦のリングに上がる。

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