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21日の後楽園ホール「ダイナマイトパンチ」セミファイナルで、キックボクシング世界王者から転向し、これが10戦目になる久保賢司(26=角海老宝石)が2014年度全日本新人王の高橋竜平(25=横浜光)と対戦した。久保はこの試合に負けたら引退を公言。自らを追い込み、崖っぷちの状況の中、技巧派のアウトボクサー高橋に挑んだ。
5Rのダウンシーン
試合は初回から動いた。高橋が大きくフットワークを使い、パンチを当てていったが、久保の右ストレートが決まると高橋は片膝をつくダウン。久保が上々のスタートを切った。しかし、ダメージのない高橋がさらにギアを上げ、フェイントやスイッチをしながら久保にボクシングをさせない。5回には左フックでお返しのダウンを奪い返すと、さらに高橋のペースに。久保が必死に前に詰めようとするが、高橋のスタミナは最後まで衰えず久保をシャットアウトした。初回のダウンを奪われたラウンド以外は高橋がポイントを奪い、判定で初の8回戦を勝利で飾った。
日本ランク復帰も近いはず
控室で安堵の表情を浮かべた高橋。「ダウンを奪い返してから、自分のペースで試合ができた。ダウンを奪ったのははじめてだったので驚いた」と声を弾ませたが、「アウトボクシングに徹してしまった。もっとアグレッシブに前に出ないといけなかった」と課題を挙げるのも忘れなかった。「練習でできていることがまだ試合で出ていない。ボクシングに幅をきかせたい」と反省の言葉が続いた。
押し出される形でランク外になったが、再びランクインする日もそう遠くはないはずだ。
押し出される形でランク外になったが、再びランクインする日もそう遠くはないはずだ。
久保はハッキリと引退を公言
一方、4回にパンチで眉間を出血しながらも、最後まで勝負を諦めず前に出続けた久保は「いいようにやられてしまいました」と完敗を認めた。「ダウンを奪ったパンチは練習していたもので手応えがあったが、それ以降はどうやって前に詰めていこうか考えているうちに試合が終わってしまった」と高橋の上手さに脱帽。「ボクシングは奥が深いですね」と苦笑しながら答えた久保。「王者になるためにボクシングに転向した。ワガママをたくさん言ってボクシングをしてきたが、期待に応えられず申し訳ない気持ちでいっぱいです」。「悔しいが、ボクシングをやり切りました。試合前に公言したので引退します」とグローブを吊るす意向を示した。