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[公開練習]2015.1.22

今年は脱ツヨカワ!

 大晦日の世界初挑戦で、WBA世界ライトフライ級王者アルベルト・ロセル(ペルー)を判定で破り、ワタナベジム現役3人目の世界王者となった田口良一(28)が22日、報道陣を集め都内の所属ジムで練習を公開した。
パンチ力を強化したい
 年始は祝勝会漬けと嬉しい日々を過ごした田口。練習前の会見では、街中で声をかけられるようにもなったと喜んだ。スタミナが落ちることを嫌い、正月明けの5日には走り始めたが、ジムでの本格始動は今日が初。あらためて試合を振り返り、倒した後の冷静さと詰め方がまだ甘いと悔しがった。「僕にはパンチがないがKOで仕留められるようになりたい。憧れの内山さん(内山高志)に少しでも近づきたい」と、今後はパンチ力強化を図る。
 それでも、初の世界戦に思っていたほどの緊張はなかったと話し、石原雄太トレーナーも「初めてにしては落ち着いていた。試合では出せなかったショートのパンチやコンビネーションを磨いていきたい。まだまだ成長過程だが伸びしろは十分にある。これからも挑戦者の気持ちで試合に臨んでほしい」と期待した。
田口は強い相手ほど実力を発揮する
 今後について渡辺均会長は、「3人が揃うかは分からないが5月、8月、12月と年に3回はやりたい」とプランを明かし、まずは防衛戦、指名試合を経て、ゆくゆくは統一戦も視野に入れているようだ。これに田口も「まずは初防衛戦。驕ることなく地に足をつけてクリアしたい」と意気込んだ。
石原トレーナーとのミット打ち
 田口といえば思い出されるのが、判定負けを喫した一昨年8月の現WBO世界スーパーフライ級王者、井上尚弥(21=大橋)を迎えての日本タイトル戦。この時から井上をライバルとして意識し、世界王者となった瞬間も「井上君ならもっと早く倒していたはず」と素直に喜びが沸かなかったと言う。「負けず嫌いなんです。負けたままじゃいられない」としたが、井上は階級を上げ、リベンジはほぼ不可能。ならば「この階級で一番になりたい。噛み合う選手なら誰でも構わない」とファンが望むカードを希望した。
グローブをはめれば精悍な顔つき
 この日の練習は、ロープから始まり、ミット打ち、バック打ちと1時間あまりみっちりと汗を流した。まだ体が重く、よく動けないとした田口だが、課題のショートパンチ、特に左のショートフックは良い音を響かせていた。
脱ツヨカワなるか!?
 世界王者となった今でも悩みはあるらしく「未だに後輩から弄られるので威厳を出したい」と脱ツヨカワ(強くて可愛い)を宣言。しかし、渡辺会長から「田口がこんなにボクシングに真剣だとは思わなかった」と振られ、「僕は真剣ですよー」と返した様にはまだ風格は感じられなかった。終いには、「自分へのご褒美にスマホのゲームで1万円を課金しました。これまでは五百円から千円がいいところ」と自ら威厳を落とす有様。脱ツヨカワは当分お預けとなりそうだ。

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