14度目はムエタイ女王が相手

　世界王座14度目の防衛戦に臨むWBC女子世界アトム級王者、小関桃(青木)とランキング2位の挑戦者で元ムエタイ世界チャンピオン、デニス・キャッスル(英国)が1日、前日計量と調印式のため都内のJBC事務局を訪れた。

　ムエタイ式キックボクシングで13年のキャリアを持つキャッスルは、ヨーロッパで一番評価を集めているWBC女子世界ムエタイとアジアで一番権威があるS-1(ムエタイ・ソムチャイ杯)を含む3つの世界王座のベルトを手に入れた正真正銘のムエタイ女王。

　3年前から本格的にボクシングを始め、今年デビューを果たしたばかりだが、ファイターとしての資質はWBCも認めたほどの実力者だ。英国ボーマス出身の刺客は「チャンピオンに個人的な感情はないが、緑のベルトは持って帰る。また、そのためにハードなトレーニングを積んできた」と静かに語った。

　具志堅用高氏が持つ日本人最多の世界王座13回防衛記録更新がかかる小関だが「13回目の時の方が数字の上でのプレッシャーはあった。これからは、数字に縛られずに自分のボクシングがしたい」と現在の心境を明かした。

　また、今回の挑戦者がムエタイ女王という未知の怖さがあるが「ムエタイとボクシングでは距離の取り方が違うので、距離をつぶして戦ってくるのではないかと思う」と冷静に分析した。4月には左手を痛めたというサウスポーのチャンピオンだが「試合では左を使うと思うが、右の練習ができた。手打ちぎみだったので、一発一発ダメージを与えられるようにトレーニングした」と178ラウンド消化したというスパーリングと合わせて充実した準備を振り返った。

■WBC女子世界戦前日計量
王者:小関桃
体重:45.9kg
体温:36.8度
脈拍:44/分
血圧:119/84 hg/mm

挑戦者:デニス・キャッスル
体重:45.7kg
体温:36.9度
脈拍:107/分
血圧:119/79 hg/mm
生年月日:1971年10月24日

　この試合は、アディダス社製8オンスのグローブを使用する。

■オフィシャル
レフェリー:福地勇治(日本)
ジャッジ:安部和夫(日本)
ジャッジ:ジェロルド・トメルダン(比国)
ジャッジ:シン・キョンハ(韓国)
立会人:森田健(日本)