狩野ほのか「ジムにベルトを取り戻す」

　日本アトム級王者の狩野ほのか(29=TEAM10COUNT)は、12月26日(火)、後楽園ホールで開催される「 第27回Fighting Bee」のメインイベントで、同級1位の坂本望愛(18=大成)を迎えて2度目の防衛戦に臨む。この試合には、空位のOPBF東洋太平洋王座も懸けられる。

　今年9月に初防衛に成功した狩野は、同門で世界挑戦する松田恵里(29)が保持していたOPBF王座を取り戻すと固く誓った。

　初防衛戦をクリアした翌日に、次戦の話を聞いた。「これまでこんなに短い間隔で(試合を)できていなかったので、年内にもう一度できるのはうれしかった」と素直に喜ぶと、「2冠戦というより、松田さんが持っていたベルトを取り戻す。そういう意味ではプレッシャーを感じている。負けてしまったら、このジムにベルトがなくなる。私が勝って松田さんにつなげたい」と、1月12日(金)にWBA・WBO世界アトム級王座に挑戦する松田に勝利のバトンをつなぐ。2人が勝てば、ジムに4本のベルトが揃う。

　松田とは、同じ職場(低酸素トレーニングジム)で勤務し、ジムでも時々、スパーリングをするなど切磋琢磨している。「松田さんとは同い年だが、技術はもちろん、ボクシングに対する考え方など、すべてが勉強になる」と、刺激を受けているようだ。

　今年9月に行われた慶美奈代(SUN-RISE)とのV1戦は苦戦の末、判定勝ちした。「取り組んできたボクシングが完全に自分のものにできていなくて、本番で出すことができなかった」。しかし、分が悪いと見るやスタイルをチェンジして、豊富な手数でポイントを挽回した。「移籍後初戦で、なんとしても勝ちたかったのでホッとした」。

　TEAM10COUNTでは、女子選手が同じ時間に集合して、練習を始める。「同じ階級の選手ばかりなので、常にスパーリングができるし、実戦練習でできなかったところを考えて、修正の繰り返しができる」と成長を実感しているようだ。

　「倒しにいこうとすると、力んでしまう悪い癖が出でしまうので、勝ちに徹しながら場面に応じて戦っていく。積み上げてきたスタイルをぶつける」と、あえてKOは狙わずに自分のボクシングを貫く。

　この試合が終わっても狩野は休むつもりはない。「試合が終わったら、松田さんのサポートに回る。年末年始もフル回転です!」と最後は笑顔を見せた。