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元東洋太平洋・日本ミドル級チャンピオン淵上誠(34=八王子中屋)の引退式が20日、後楽園ホールで開催された「フレッシュボーイ84」のリングで行われた。鹿児島出身とその風貌もあって"薩摩コング"の愛称で人気を博した淵上は、12年5月には世界王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)にも挑戦。戴冠はならなかったが、日本ミドル級の第一人者として長くリングで活躍した。生涯戦績は35戦23勝(14KO)12敗。
その独特のスタイルはファンを驚かせた
現役時代の入場曲「やじろべえ」でリングインした淵上に、日本ボクシングコミッション、日本プロボクシング協会より記念品が、前八王子市長で後援会の黒須隆一氏からは功労賞が贈られた。
淵上を誇りに思うと中屋前会長
ボクサー淵上を育てた中屋廣隆前会長は、「勝ち負けを繰り返しながらも、タコ踊りのようなスタイルを活かして世界までいった淵上を誇りに思う。たいした怪我もなく家族の下に帰らすことができて安堵している」と声を詰まらせながら挨拶。淵上と固く握手をかわした。
万感の想いで聞いた10カウント
12年の現役生活に別れを告げる10カウントゴングを万感の想いで聞いた淵上は、「決して一人ではチャンピオンになることはできなかった。僕のガードをしないスタイルを伸ばしてくれた中屋ジム、応援してくれた多くの人のおかげです。夢をみんなで見ながら成長することができました。最高のボクシング人生でした!」と感謝し、深く頭を下げリングを去った。
第二の人生に幸あれ!
引退後も少なからずボクシングに関わっていきたいと話した淵上。リングで学んだ経験を第二の人生に活かしてほしいと願ってやまない。