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WBC(世界ボクシング評議会)スーパーフェザー級シルバータイトルマッチが日本時間の23日、イタリア・ローマで開催された。赤コーナーには、シルバーチャンピオンで、同級6位のマイケル・マグネッシ(29=伊)が陣取り、同級5位で、シルバータイトル挑戦者の力石政法(29=LUSH緑)は、青コーナーからリングインした。
序盤からアグレッシブな戦いぶりを見せたのはマグネッシ。地元の声援に背中を押されたマグネッシが、コンパクトなパンチを出しながら、プレスをかけてジャッジに好印象を与えた。
一方、受けに回りながらも、的確なパンチでマグネッシを突き返した力石だが、手数でもマグネッシに一歩リードを許した。WBCルールによる途中採点は、4回終了時3-0 (40-36×2,39-37×1)、8回終了時も3-0(78-74×3)とマグネッシが支持を集めた。
試合は、最終回に持ち越された。倒すしか勝ち目がない力石は、右フックでダウンを奪うと、焦らず左ストレートでダウンを追加。レフェリーがマグネッシのダメージを確認する中、力石のパンチでマグネッシが膝をつく場面もあったが、レフェリーはスリップとした。それでも、冷静な力石。距離を詰めすぎずにパンチをまとめると、最後はレフェリーが割って入った。12ラウンド2分34秒TKOにより、敵地で力石政法が大きな一勝を掴んだ。
試合後、ボクシングモバイルの電話取材に応じた力石は「早く(試合が)終わらないかな〜と思っていた」と、左目上の腫れをさすりながら笑顔を見せた。「カウンターを入れようとしたが、(マグネッシは)上手く外してきて、カウンターにカウンターを合わせてきた」と、拳を交えたからこそ感じたマグネッシの強さを説明すると、「採点は負けていたが、そうなったら足を使って攻め込ませて、隙を作る作戦だった。向こうの力が落ちてきたので、パンチをまとめた。最後まで倒すつもりだった」と、逆転KOに至るまでを振り返った。「マグネッシは意識を断ち切るようなパンチ力はないが、拳が硬くて痛かった。ただ、今回の試合で『俺って意外と打たれ強いんだな』と思った」と収穫を口にした。
イタリア・ローマでの大一番は、アウェイの洗礼がなかったわけではない。試合前には、リングのサイズが規定(18フィート=約5.47m)よりも小さいことが判明。力石陣営の猛抗議で、リングの広さが調整された。力石は「最初、リングを見た時に『こんなに狭いのか』とメンタルをやられたが、少しでも良い感じで試合に臨めるように、チームが一致団結してくれた。誰か一人でも欠けていたら勝てなかった。チームに感謝している」と、改めて感謝の気持ちを言葉にした。
兄で前WBC世界ライトフライ級王者の矢吹正道(31=LUSH緑)は、「会場の応援がすごかった。ドラムやラッパ音で、ゴングと間違えるほどだった。これまで聞いたことのない声援だった」と、完全アウェー戦を振り返った。「12ラウンドが始まる前に、『意識を絶つようなカウンターで倒しにいけ』と伝えた。(弟は)本当にすごいですよ」と、弟の勝利を喜んだ。マグネッシはダメージが深く、試合後は担架で運ばれたということだ。
完全アウェーのイタリアでKO勝ちし、世界への切符を掴んだ力石。世界に期待が高まる!