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[試合後談話]2024.6.16

英洸貴が石川県に元気を届けた!

 元日本ユース・フェザー級王者の英洸貴(はなぶさ・ひろき/25=カシミ)が16日、石川県産業展示会2号館で開催された「拳の嵐 2024」のメインイベントに出場。フェザー級8回戦で、ソンムサック・ヌオーエー(23=タイ)と対戦した。

 前日計量で「被災した人たちに勇気を与えたい」と、元旦に発生した能登半島地震で被災した人たちに向けて勝利を誓った英が、圧巻のパフォーマンスを見せた。
KO勝ち!
 初回から英がジャブを上下に散らしリズムよく組み立てると、2回に右クロスでダウンを演出。その後も慌てずに左ボディを好打した。4回、英は右ストレートから左フックをフォローして倒すと、最後は右ストレートでキャンバスに沈めた。

 地元で見事なKO勝ちを飾った英は、「判定まで行くつもりで、チャンスがあれば倒せたらと思ったが、自分が得意とするパターンがハマった」と冷静に試合を振り返った。
「被災した人たちに元気を届けることができた」
 英は、「仕事で能登半島に行くことがあるが、復興にはまだまだ時間がかかっている。知人の実家は、全壊して金沢に引越しした」と、地震後の現状を伝えると、「3月の試合で地元の人たちを元気づけたかったが、引き分けでそれができなかった。今回勝てたことで少しは元気づけられたと思う」と語った。

9月にスイスでWBOインターコンチネンタル王座戦が内定

 次戦は、9月にスイスで空位のWBOインターコンチネンタル王座を懸けて、9戦全勝(6KO)のアンジェロ・ペナ(29=ドミニカ共和国)と対戦することが内定している。海外遠征に臨む英は、「海外での試合で楽しみ。必ず勝ちます!」と、王座奪取を約束した。
左:藤野零大(カシミ)が勝利
 セミファイナルでは、日本スーパーフライ級10位の藤野零大(19=カシミ)と長井京志朗(20=宇部)がバンタム級6回戦で激突した。

 キレ味鋭い左フックから切り込む長井に対し、藤野はサウスポーにスイッチすると、左ボディアッパーを好打。藤野は3回に右フックでダウンを先取。終盤、長井はノーモーションの右で顔を弾き、粘りを見せたが、藤野も負けじとパンチを返した。藤野が昨年10月以来の再戦を制した。
「日本ユース王座を狙う」
 試合後、取材に応じた藤野は、「ダウンを取った後、詰め切れなかったのが反省点。初めての6ラウンドで、フルに戦うことができて良い経験になった。地元での試合で緊張したが、勝てて良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 藤野が狙うのは、山口仁也(24=三迫)が保持する日本ユース・スーパーフライ級王座だ。「山口選手は強いが、やってみないとわからない。この階級(スーパーフライ級)は、アマチュアからプロに転向している選手がたくさんいる。全国選抜大会で負けた伊藤選手(伊藤千飛=真正)にリベンジしたいが、今のままでは厳しい。もっと力をつけていく」とさらなる飛躍を誓った。
能登半島地震復興チャリティーオークション
 メインイベントの前に、能登半島地震復興チャリティーオークションが行われた。日本ボクシングコミッション職員を務めるお笑いタレントのロバート山本さんが、チャリティーオークションの盛り上げ役に一役買った。

 井上尚弥のサイン入りグローブや武居由樹のサイン入りパンフレット、那須川天心のサイン入りTシャツなどが出品され、大いに盛り上がった。

 オークションで集まった金額、本日の興行の売り上げの一部、日本ボクシングコミッション、中日本ボクシング協会、カシミジム、大橋ボクシングジムからの義援金(金額は後日日本ボクシングコミッションが発表)を石川県に寄付した。

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