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[立ち話]2022.6.4

富岡樹「隙は多い」

 日本ライト級8位の富岡樹(25=角海老宝石)は、6月14日(火)に後楽園ホールにて開催される「 ダイヤモンドグローブ」のメインイベントで、王者の宇津木秀(28=ワタナベ)に挑戦する。

 富岡は、2018年7月に当時のOPBF王者の中谷正義(現帝拳)、2020年2月には当時の日本王者の吉野修一郎(三迫)に挑戦し、今回が3度目のタイトル挑戦となる。

 初防衛戦を迎える宇津木は、今年2月に鈴木雅弘(角海老宝石)との王座決定戦を制し戴冠。攻守に隙が少ない万能型で、ライト級で評価が急上昇しているチャンピオンだ。挑戦者が辞退し、チャンスが巡ってきた富岡は、このオファーを即答。コンビを組む洪東植トレーナーとのコンビでベルト奪取に闘志を燃やす。
「断る理由がない」
 「ランキングも下だったので、正直なところビックリした。(タイトルを)意識していなかった」。タイトルマッチの話が来た時の心境を、素直にそう明かしたが、「ただ、断る理由がないのですぐに受けた」と、挑戦を即決した。
宇津木攻略に全力を注ぐ
 「すべてが平均より少し上で、きれいな丸でバランスを取れている」と宇津木の印象を語ると、「気持ちも乗っているし仕上がりがいい」と、自身も万全のコンディションであることをアピールした。

 富岡は本来、スピードを主体としたアウトボクサーだったが、洪トレーナーとコンビを組み、打ち合いもできるファイタースタイルに変貌を遂げた。「まったく穴がないわけではない。隙はたくさんある」と、宇津木の攻略に自信を示した。
すべてをひっくり返す
 「以前は、ベルトを獲って上に行くと言っていたが、今はとにかく日本のベルトがほしい」とタイトルへの強い思いを口にした。かつて日本ユース王者だった頃は、ホープとの対戦で注目を浴びたが、中谷戦以降は強豪との対戦が多く、2勝5敗で現在は3連敗中だ。

 昨年10月にはノーランカーの藤田炎村(三迫)との接戦を落とした。「次の試合を勝てば、これまでの勝ちも負けも、この日のためにあったものだと思える。これまでのことを気にしていない」と次戦にすべてを懸ける。
「経験を活かして戦う」
 「2度目のタイトルマッチを経て、いかに(タイトルを)獲るのが大変なことかと気付かされた。これまでの経験を活かして戦う。これまでと違って、良い意味で余裕がある。覚悟を持ってベルトを奪いにいく」と、プロ入りから駆け抜けてきた濃密なキャリアをぶつけるつもりだ。
悲願のベルト奪取へ
 3度目の正直を狙う富岡だが、充実したトレーニングで表情は明るかった。洪トレーナーからは"チャンピオンの心構え"を伝授されているという。「王座決定戦ではなく、チャンピオンから奪い取ることに意味がある」。思いがけず転がり込んできた千載一遇のチャンスを掴みにいく!

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