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[試合後談話]2024.6.14

WBO-AP王座戦で2人のチャンピオンが誕生!

 WBOアジアパシフィック・女子スーパーフライ級王座決定戦が14日、後楽園ホールで開催された「VICTORIVAvol.14」のメインイベントで行われ、チャオズ箕輪(36=ワタナベ)と奥田朋子(41=堺春木)が空位の王座を争った。

 試合は、衝撃の結末を迎えた!
チャオズ箕輪(ワタナベ)が初回KO!
 奥田が前の手で距離を測りながら、右ストレートで迎え撃つのに対し、箕輪はプレスをかけてワンツーを狙う構図。すると、箕輪が狙いすました右フックで痛烈なダウンを演出。レフェリーは、カウント途中でストップした。
「晝田瑞希選手に挑戦したい」
 見事なワンパンチKOでベルトを獲得した箕輪は、「8ラウンド戦うつもりだったので、初回に倒すことができて、自分でもびっくりした」と驚いたが、「前回は膝の怪我の影響で不完全燃焼だったが、今回は自分の動きができた。当たれば倒せる自信があったし、パンチに体重が乗って距離もハマった。イメージ通りの試合ができた」と会心の笑みを漏らした。

世界へ猛アピール!

 4度目の世界挑戦に向けて、これ以上ないアピールとなった。箕輪が狙うのは、WBO(世界ボクシング機構)スーパーフライ級王座を保持する晝田瑞希(28=三迫)だ。「このベルトを獲ったのも、晝田選手に挑戦するため。世界を獲った時からずっとオファーしている。アマチュア時代から知っていて、強い選手。晝田選手に勝ってこそ本当のチャンピオン。ぜひ、挑戦を受けてください!」と言葉に力を込めた。
「最初から仕掛けたが…」
 一方、ショッキングなKO負けを喫した奥田は、「最初から仕掛けるつもりだった。最後にもらった右ストレートはスパーリングでも、もらっていたパンチ」と気丈に振り返った。

 堺春木ジムの春木博志会長(写真右)は、「本来、奥田はアウトボクサーだが、いつも以上に攻める作戦を取った。それで気負わせてしまった。セコンドの責任で、本人はよくやった」と悔やんだ。
左:鵜川菜央(三迫)が新王者!
 日本アトム級8位の吉田里穂(21=RISE)とIBF(国際ボクシング連盟)同級11位の鵜川菜央(28=三迫)が、空位のWBOアジアパシフィック・アトム級王座を懸けて拳を交えた。

 初回、ジャブとバックステップでリズム感のある攻撃を披露した鵜川に対して、吉田は2回、プレスをかけて右カウンターで顔を弾くと、アッパーを織り交ぜたコンビネーションをヒット。3回は、鵜川が右回りからジャブで突き離すと、左ボディを好打。4回も鵜川は中間距離で強弱をつけた攻撃を見せた。5回は、吉田がプレスをかけて右クロスを好打。7回、鵜川はワンツーで膝を揺らすと距離をキープ。最終回、両応援団が大声援を送る中、両者とも最後の力を振り絞りパンチを繰したが、吉田の回転力がやや上回った。ジャッジは割れたが、鵜川が支持を集めて、自身5戦目で初戴冠を果たした。

 5戦目でタイトル獲得に成功した鵜川は、「相手は映像で見た通り、動きにキレがあって運動能力が高かった」と、拳を交えた吉田の強さを語り、「試合前のスパーリングで調子が悪い時も、加藤さん(加藤健太トレーナー)や友人に励ましてもらったおかげで、この日まで逃げずに試合を迎えることができた。周りの協力のおかげで勝つことができた」と安堵の表情を浮かべた。

周りの支えで勝てた

 今後の目標を聞かれた鵜川は、「世界を目指すには、まだまだフィジカル面が足りない。(世界で)勝負できる要素を追加しつつ、決められた試合を勝っていきたい」と具体的には挙げず、強さに磨きをかけていくとした。
「次に向けて進んでいく」
 一方、わずかに勝利に手が届かなかった吉田は、「手数が多い相手に対して、対応が遅れてしまい、ペースに飲み込まれてしまった。重心を落として懐に入り込みたかったが、上手くできなかった。やれることはやって、全てを出し切った。次に向けてやっていきたい」と、悔しさをにじませながらも前を向いた。

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