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米国・ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで19日(日本時間20日)、WBA(世界ボクシング協会)ウェルター級正規王座タイトルマッチが行われた。元6階級制覇王者の現王者マニー・パッキャオ(フィリピン)が、元4階級制覇王者の挑戦者エイドリアン・ブローナー(米国)を相手に初防衛に臨んだ今年最初のビッグマッチ、PPVファイトの行方はー?
パッキャオvsブローナー
ソールドアウトとなる13025人の大観衆が見守る中で始まったメインイベント。王者のパッキャオは高いガードに身体を振る自身のスタイル、ブローナーはジャブから様子を伺う序盤。しかし中盤に入るとパッキャオのコンビネーションがブローナーを捉え、7回に左ストレートからの連打、8回には右フックでダメージを与えていく。終盤に入ってもブローナーはパンチを合わせることに終止し、有効打だけでなく手数でもパッキャオが上回った。11回には消極的なサークリングをするブローナーはブーイングを浴び、12回も最後までパッキャオが攻めて試合終了のゴング。40歳のパッキャオが3-0(117-111,116-112×2)の大差判定勝利でV2を果たした。節目の70戦目を勝利で飾ったパッキャオの戦績は70戦61勝(39KO)7敗2分、良い所なく敗れたブローナーは39戦33勝(24KO)4敗1分1無効試合となった。
ウバーリvsウォーレン
勝者がWBC(世界ボクシング評議会)バンタム級暫定王者の井上拓真(大橋)との統一戦が義務付けられている正規王座決定戦。同級1位ナルディーヌ・ウバーリ(フランス)と、同級3位ルーシー・ウォーレン(米国)がロンドン五輪以来の対戦を迎えた。オリンピックの雪辱に燃えボディを狙うウォーレンに対し、ウバーリはジャブと手数で序盤を進めた。ウォーレンは狙い過ぎで手が出ない場面が多く、試合は次第に手数で勝るウバーリが主導権を握る。終盤はポイントが厳しいウォーレンが前に出るが、ウバーリが捌ききって終了。3-0(115-113,116-112,117-111)の判定勝利でウバーリが新正規王者となった。井上との対戦が待たれるウバーリの戦績は15戦全勝(11KO)、五輪に続いて敗れたウォーレンは20戦16勝(4KO)3敗1無効試合となった。
ジャックvsブラウン
WBA世界同級暫定王座決定戦となる、元2階級制覇王者でWBAライトヘビー級1位のバドゥ・ジャック(スウェーデン)と、元ロンドン五輪代表でWBA同級2位のマーカス・ブラウン(米国)の一戦。序盤はブラウンのサウスポースタイルが冴え、ジャックは距離を潰し攻め込む展開。5回には大味な攻めでクリンチの多い両者にレフェリーが注意を与えた。7回は荒れ模様、バッティングでジャックが眉間を切り流血戦となると、次はブラウンにホールディングの減点が宣告された。最終回に一瞬会場の照明が落ちるアクシンデントがあったがすぐに回復して終了のゴングが鳴った。終止優位に試合を進めたブラウンが3-0(117-110,116-111,119-108)の判定勝利で世界タイトル初栄冠。正規王者のデミトリー・ビボル(キルギスタン)が3月9日に7度目の防衛戦を行う中、暫定王座を獲得したブラウンの戦績は23戦全勝(16KO)、敗れたジャックは27戦22勝(13KO)2敗3分となった。