井上拓真「何の不安もない!」

　トリプル世界戦の前日計量が29日に都内のホテルで行われ、WBC(世界ボクシング評議会)バンタム級暫定王座を争う同級5位の井上拓真(22=大橋)と同級2位ペッチ・CPフレッシュマート(タサーナ・サンパッタン/25=タイ)が、多くの報道陣が見守るなか秤に上がった。
　試合は12月30日(日)に東京・大田区総合体育館で開催される「FUJI BOXING」のセミファイナルで行われ、当日夜7時からフジテレビ系列で生中継される。

　まずは井上が計量を行い、リミットの53.5kgで一発パス。続いて慎重に秤に乗ったペッチも同じくリミットちょうでクリアし、これで明日の世界戦は無事に行われることになった。険しい表情のままペッチと並んだ井上だったが、訳も分からず日の丸の手振り旗を渡されるとようやく笑みがこぼれ、写真に収まった。

　計量後、父・真吾トレーナー手作りのスペシャル雑炊でリカバリーを図った井上は、「めちゃくちゃ美味い」と舌鼓を打ち、一度は自身の怪我により消滅した2年越しの世界戦に向け抱負を語った。「目の前にベルトがあるので、今まで以上にワクワクする。全てが上手くいっているので何の不安もない」と絶対の自信を示し、大橋秀行会長からWBA世界同級王者の兄・尚弥以上のインパクトを残してほしいと期待されたことについても、「プレッシャーにはならない。まずは勝ちに徹する」と集中を高めていた。

　一方、井上と同じく初の世界戦に臨む48戦全勝(33KO)のペッチは、「すべてはリングに上がらないと分からない。緊張はしていないよ。試合が楽しみ」と言葉少なく話し、会場を後にした。

　なお、グローブチェックでは井上に日本製の黒の8オンスグローブ、ペッチには日本製の赤が用意され、あとは明日のゴングを待つばかりとなった。

■検診結果
WBC世界バンタム級暫定王座決定戦
同級5位・井上拓真(大橋)
体重:53.5kg
体温:36.6℃
血圧:155/96mm/Hg
脈拍:62/min

同級2位ペッチ・CPフレッシュマート(タイ)
体重:53.5kg
体温:36.4℃
血圧:124/75mm/Hg
脈拍:71/min