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昨日開催された「3150 FIGHT Vol.3」で、フェザー級に関連する注目カードが行われた。既報の通り、試合後の会見で引退を発表した大沢宏晋(37=オール)のラストマッチとなった、58.0kg契約8回戦だ。
対戦相手のジョー・サンティシマ(26=比)は、2020年2月に米国ラスベガスで、当時のWBO世界スーパーバンタム級王者で、現在はWBOフェザー級の世界王者に君臨するエマニエル・ナバレッテ(27=メキシコ)に挑戦したこともある実力者。26戦22勝(19KO)4敗(2KO)の戦績を見ても、KO決着の多さが際立っている。
試合後のプレスルームでサンティシマは、満面の笑みを浮かべて、「フィリピン人選手は、日本人に20連敗していたが、自分が勝ててよかった」と叫んだ。この数字は、定かではないが、最近のタイトル戦を見てみると、ノニト・ドネア(比/米)、ドニー・ニエテス(比)、クリス・ガノーサ(比)、フローイラン・サルダール(比)、アダム・ディウ・アブドゥラミド(比)らが日本で敗れている。昨夜の会見では、ボクシング大国フィリピンの威信をかけて戦った、世界クラスのボクサーのプライドが垣間見えた。
大沢は、試合後の会見で「ここで負けていては、世界にはいけない。またやり直すと言えるような甘い世界じゃない。ここぞっていう時に、いつも負けてしまうボクシング人生だった」と、大一番での黒星を悔やんだが、会見の場では最後まで気丈に振る舞い「グローブを吊るそうと思います。引退します」と涙を見せずに潔く、プレスルームを後にした。
当時のWBO世界フェザー級王者のオスカル・バルデス(メキシコ)に、大沢がランキング1位で挑んだ2016年11月5日のラスベガスのリングは、今でも記憶に新しい。試合は7R1分50秒 TKOでバルデスが勝利したが、大沢は粘り強くハードパンチャーの繰り出すパンチをしのぎ続けた。途中ダウンを喫しもしたが、最後はレフェリーが割って入るまで立ち続けた。
今、フェザー級は、最も注目される階級の一つに数えられ、日本人選手たちも世界のトップ戦線入りを目指して、日々切磋琢磨を続けている。しかし、11年以上もの間、日本人のフェザー級世界チャンピオンは、誕生していない。大沢宏晋の引退は、寂しいニュースだが、大沢が上り詰められなかった頂点に、日本人の誰かが到達することを切に願うのみである。
大沢宏晋:47戦37勝(21KO)6敗(3KO)4分