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[会見]2024.7.16

井上尚弥の次戦は9月3日(火) TJドヘニーと対戦

 スーパーバンタム級世界4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)が16日、都内で開かれた会見で、次戦を9月3日(火)に有明アリーナで行うことを発表、元IBF世界スーパーバンタム級王者で、日本人相手に3連勝中のTJドヘニー(37=アイルランド)を挑戦者に迎える。

超豪華カードが揃った
 会見の冒頭、大橋ジムの大橋秀行会長は、「第1試合から目が離せない試合が繰り広げられる。試合まで2ヶ月を切っているが、怪我や体重にミスがないよう注意して、最高のコンディションで、リングに上がってほしい」と述べ、会見後の囲み取材でも「(会場が)東京ドームでも満員になるカード」と、超豪華ラインナップの開催を報告した。

 株式会社NTTドコモの前田義晃代表取締役社長は、「ドコモは、2018年から井上尚弥選手のメインスポンサーとして、活動を支えてまいりました。日本中のボクシングファンの皆様と一緒に、ボクシングを盛り上げるよう尽力してきたつもりです。井上選手は日本の宝であり、世界最高のボクサー。世の中に大きな感動と熱狂をもたらせてくれています。井上選手の試合を、多くのファンの皆様にお届けすることは、ドコモが目指している心躍るスポーツ、エンターテインメントを体現するものと、強く感じています。今回の一戦も、今まで以上に世界中を熱狂させる試合を期待してます」とエールを送った。
「気が抜けない相手」
 スーパーバンタム級4団体王座2度目の防衛に臨むモンスターは、「東京ドームでの試合が終わって、少し経ってから今回の試合の話を聞いた。(ドヘニーは)ここ最近すごく良い試合をしている。本番に実力を発揮する選手で、気が抜けない相手」と、元世界王者の印象を語ると、「一発を警戒しながら、一発も触れさせない気持ちで、自分のボクシングを展開したい。皆さんがこの試合の決定をどう思うかわからないけれど、気が抜けない相手であることは間違いありません。次戦をしっかりとクリアして、この先のスーパーバンタム級を見据えた戦いをしたい。東京ドームでの試合で燃え尽きるのではなく、加速させていきたい」と言葉に力を込めた。記者会見で何度も、「気が抜けない」というフレーズを使っていたのが印象的だった。

一発も触れさせない

 井上真吾トレーナーも、「元チャンピオンでパンチがあり、かなりワイルド。気が抜けない」と、尚弥と同様に警戒心を強めたが、「尚弥が気負わず集中してくれたら、問題ないと思っている」と全幅の信頼を寄せた。

 大橋会長は、「パンチを思い切り振ってきて、勝ちにくる選手。怖さという点では、ネリかそれ以上のものがある。スリリングな試合になる」と語った。この組み合わせが決まった経緯について、ドヘニー本人からSNSを通じて、大橋会長に対戦を要求してきたことも明かした。
「技術差で完封する」
 ドヘニーは前日計量から大幅に体重を増やし、パワー勝負で来ることが予想される。それに対し、「当日、どれだけ体重を増やしても、スピード勝負で触れさせなければ問題ない。ボクシングはパワーだけでないことは理解している。フィジカル勝負が必要になることもあるかもしれないが、それも必要ないほど、技術の差で完封したい」とキッパリと言った。

あと2年、Sバンタム級で戦う

 米国メディアでは、「挑戦者がドヘニーということで、力不足ではないか」と報じられていることに関して、モンスターは、「この試合で引退するわけでもなく、階級を変えるわけでもない。あと2年くらいはこの階級でやることを考えているので、次の対戦相手を含めて、楽しみにしていただけたら。ドヘニーが力不足だとは思っていない」と話した。

 5月6日に行われたルイス・ネリ(29=メキシコ)との東京ドーム決戦以来、4ヶ月での試合になる。2017年以来、年3回ペースでの試合になるが、「その時(2017年)と比べて、疲れの抜け具合などでの違いは多少感じているが、それをカバーするキャリアを重ねているので、プラスに考えていきたい」とも話した。
マイク・アルティムラ プロモーター(40)
 この日、記者会見には出席しなかったドヘニーからコメントが届いた。

※原文
"Firstly, I am very thankful to Mr Ohashi, Mr Honda, and Monster Inoue for this opportunity. Everybody knows that I am a true throwback warrior and I will come to bring a great fight to Inoue. I believe in my power and my fortitude. I won't run or look to survive like others have in the past. I will come for war and may the best man win."

※日本語訳
 「まず初めに、大橋秀行会長、本田明彦会長、そして、モンスター井上さん、この機会をいただきありがとうございます。私は真の典型的な戦士であり、井上さんに素晴らしい戦いを挑みます。私は自分の力と不屈の精神を信じています。これまでに対戦した選手たちのように逃げたり、生き残ろうとしたりするつもりはありません。私は戦いにいきます。最強の男に勝利を!"may the best man win."」

 記者会見に来ていたドヘニーをプロモートするマイク・アルティムラプロモーター(40)によると、現在ドヘニーは米国マサチューセッツ州でキャンプを張っているという。同地でのトレーニングは、2018年8月に当時のIBF世界スーパーバンタム級王者の岩佐亮佑に挑戦して以来だという。

ドヘニーは8月第3週に来日予定

 ドヘニーに代わって、会見に出席したプロモーターのマイク・アルティムラ氏は、「ドヘニーは、この試合に勝つか、そうでないかで、ただの世界チャンピオン経験者になるか伝説的な選手になるか、(評価の分かれ道となる) そのくらい大事な試合。この試合に勝てば、いずれ映画化されるだろう」と語った。

 ドヘニーは8月の3週目に来日予定で、日本でもスパーリングを行うことも希望してる。
「おのずと楽しい試合になる」
 井上は、7月18日(木)から大橋ジムで集中合宿に入る。これは、マーロン・タパレス(32=比)戦以来のことだ。

 会見後に囲み取材に応じた井上は、「スーパーバンタム級でやるのであれば、こういう試合もある。約2年この階級でやるとして多くて6試合。この6試合をフルで、前回(ネリ戦)のような試合をやるのは、ほぼ不可能。ここを勝って、次はグッドマン(サム・グッドマン=豪)なのか、(ムロジョン)アフマダリエフ(ウズベキスタン)なのかー、話に出ていないが、仮にアフマダリエフを撃破したとして誰とやるのか、そこも難しいところ。ただ、そういう状況だからといって、体が出来上がってもいないのに、階級を上げる選択肢は今はない」と考えを示し、「周りの期待やスーパーバンタム級での楽しさがあるので、モチベーション不足はない。ネリ戦と同じくらい仕上げないといけない」と、油断は微塵も感じられなかった。

 「自分がやってきたボクシングと性格を考えたら、おのずと楽しい試合になる」。今回も圧倒的なパフォーマンスで、モンスターの魅力を味わえることは間違いなしだ!

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