豪州に乗り込む井上岳志が必勝宣言!

　ワールドスポーツジムは15日、オンライン会見を開き、WBOアジアパシフィック・スーパーウェルター級王者の井上岳志(31=ワールドスポーツ)が11月17日(水)にオーストラリア・シドニーでWBO世界同級1位のティム・チュー(26=豪)と対戦することを発表した。

　井上は、チューが保持するWBOグローバル・スーパーウェルター級王座に挑戦する。会見に臨んだ井上は「善戦で終わって良かったではなく結果を残したい」と言葉に力を込めた。

　元世界3団体統一スーパーライト級王者コンスタンチン・チューを父に持つティムは、19戦全勝(14KO)で世界タイトル挑戦間近のトップ選手だ。中間距離から硬い両拳を思い切り叩きつける強打者で左右ともに殺傷能力が高い。チューを倒せば世界再挑戦に近づく大一番だ。

　試合会場は、チューの地元シドニーにある収容人数2万人の会場で行われる。齊田竜也会長は「勝ってチューが持っている世界指名挑戦権を手に入れる」と話した。

　試合映像を見た齊田会長は「(チューとは)噛み合う。これなら勝てる」と1年前から交渉を進めていたようで、当初は2022年1〜2月での開催を予定していたが、9月中旬にチューサイドから11月での開催を打診されたという。「中島選手(中島玲=寝屋川石田)とのタイトルマッチが決まっていたが、お断りを入れて最後は寝屋川石田ジムさんに『日本のために頑張ってきてください』と言ってもらえた」と試合が決定した経緯を説明した。

　ビッグネームとの対戦が決まった井上は「1年前から戦えるかもしれないと聞いていたので、チューの動画は見ていた。スピードもパワーもありバランスが良いが、自分みたいなタイプとは対戦したことがないはず。こんなチャンスは二度とない。すべてをかけて挑む」と完全アウェーで勝利をもぎ取りにいく。

中間距離で勝機を見出す

　2019年1月に当時の世界王者のハイメ・ムンギア(メキシコ)に挑戦してから、得意の接近戦に加えて中間距離で右ストレートを中心としたスタイルに磨きをかけてきた。井上は「中間距離でボクシングの幅を見せたい」と意気込んだ。

　7月5日から7月26日まで単身、英国カンタベリーでスパーリング合宿を敢行。世界ランカーのアンソニー・ファウラー(30=英)を中心に実戦練習で腕を磨いた。英国合宿を終えた井上は「フィジカルも通用するしジャブもよく当たった」と手応えを感じていた。

　会見に同席した同門で日本&OPBF東洋太平洋ミドル級王者の竹迫司登(30)も帯同する。スパーリングパートナーとして連日、井上と激しく打ち合っている竹迫は「井上さんにはチューと変わらないと思われるくらい、全力でやっていきたい」と全面サポートしていく。齊田会長によると竹迫の右フックの角度がチューのパンチの角度と同じだという。
竹迫は、スパーリングパートナーとしていくだけではなく、オーストラリアの世界ランカーとの実戦練習も予定されている。

　勝てば、2度目の世界挑戦に大きく近づく一戦。井上がオーストラリアで勝負の時を迎える!