[引退式]2025.8.16
田中恒成が最後のリング。岐阜県多治見市にアマチュアジムを開設

元世界4階級制覇の田中恒成(30=畑中)がが16日、名古屋市露橋スポーツセンターで開催された「SOUL FIGHTING」で引退式を行った。
2013年11月にデビューした田中は、日本人男子最速の5戦目でWBO世界ミニマム級王座を獲得すると、常に強豪と拳を交えてファンを魅了してきた。
2024年2月には、史上最速となる21戦目で世界4階級制覇を達成。同年10月の初防衛戦で敗れたのがラストファイトとなった。
マイクを握った田中は、「3歳から空手を、そして11歳からボクシング。3歳から29歳までの26年間、格闘技、ボクシングだけに打ち込んできました。19歳で世界チャンピオン、21歳で世界2階級、23歳で3階級、これまで満足したことは、ただの一度もありません。まだまだ出来る、もっと速く、もっと強く!と、自分自身の可能性を心の底から信じていたからです。そしてのちに4階級制覇をしました。ただ自身の怪我の影響もあって、自分の将来への可能性を疑うような時間も増えました。そして引退。このボクシングを通して、まだ短いですが、人生であったり、夢であったり、人間関係、お金のこともいろんなことを勉強してきましたし、学んできました。たくさんのことを教えてくれたボクシングに本当に感謝していますし、ボクシングを通して出会った人たちを、これからも大切にしたいと思います」と挨拶した。
続けて、後輩ボクサーへ力強いメッセージを残した。「これからの世界チャンピオンを目指す選手たちに言葉を残します。私は世界チャンピオンになりましたが、(世界は)手の届かない存在ではありません。一歩一歩勝っていくと、一歩一歩階段を登っていくと、そこで初めて新しい道が見えてきて、自分のこれまでの経験だったり、自信だったり、そういったものを踏まえて、そういったものを基に次の道を進んでいく。その繰り返しです。言いたいことは、皆さんがいる場所と世界チャンピオンへの道は間違いなく繋がっているということです。そのことを明言しておきます」。
最後に、田中は中日本ボクシングへの思いも語った。「せっかくこうして引退式もやってもらえたので、中日本のボクシング界が今後強くなっていくことを望んでいます。スパーリングだけじゃなくて、合同練習だったり、トレーナー同士の意見交換だったり、本当に世界チャンピオンを目指すならば、それ一点に集中で、余計なことは要りません。そうやってこれから中部の選手が全国でも活躍することを本当に祈っています。皆さん11年間のプロ生活、応援本当にありがとうございました」。
最後に10カウントゴングが打ち鳴らされ、恒成コールが沸き起こった。興行終了後、取材に応じた田中は「リングはいつも上がっていた場所で、居心地が良い場所。引退式での歓声はうれしかった」と笑顔を見せた。
今後は、故郷の岐阜県多治見市でアマチュアジムを開くことを明言、11月のオープンをめどに準備を進めている。田中がジムのオーナーで、父でトレーナーとして支えてきた田中斉さんがジムの会長を務める。
「ボクシングを通して伝えていきたい」
田中恒成は「現状は、単に強い選手よりも心の強い子を育てていきたい。ボクシングを引退しても人生は続く。ただ、自分はボクシングを通してしか伝えられないから、ボクシングは続けていく形になる」と語った。
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