日本王座挑戦権を手にしたのは?

　日本ウェルター級王座挑戦者決定戦が11日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」で行われ、前日本同級王者で1位の永野祐樹(32=帝拳)と前WBOアジアパシフィック同級王者で2位の別府優樹(30=久留米櫛間&別府優樹)が拳を交えた。

3年ぶりに再戦

　3年ぶりの対戦となった一戦。永野が返り討ちを果たしたのか?それとも福岡県久留米から乗り込んできた別府がリベンジしたのか――。

　永野が得意の左ストレートで勝負を決めた。序盤は、別府が出入りを意識したボクシングで幸先の良いスタートを切る。3回、サウスポー永野の左ストレートが頭をかすめると別府は一瞬の間を置いて膝から崩れ落ちた。このダウンで一気にペースを取り戻した永野は、4回に右フックから左ストレートでダウンを追加。5回には左ボディから左ストレートで倒した。後がない別府は左右フックを繰り出すが、永野は左ストレートでキャンバスに沈めた。

　「倒すつもりだったがこんなに何度もダウンを奪えるとは思わなかった」と試合後の囲み会見で語った永野は「練習以上の力を出すことができた」と返り討ち成功に笑顔を見せた。

　今回の勝利で来年のチャンピオンカーニバル出場が決定した。現在の日本ウェルター級王者は永野からベルトを奪った小原佳太(34=三迫)だ。「完全に実力で負けたが、こうしたら良かったなど反省点があった」と話すと、「小原さんに勝ってベルトを奪い返すのが理想。そしたら過去の自分を超えることができる」と王座奪還を誓った。

　一方、試合後に電話取材に応じた別府は「1〜2ラウンドは、ガードを固めながらパンチを外しつつ、プレッシャーをかけることができたが、自分にはそれを続ける力がなかった。パンチをおでこで受けていたが次第に効いてしまった。前回戦った時と比べて左ストレートの威力を感じたのとディフェンスが上手くなっていた」と永野の強さを認めた。

　前戦のタイトルマッチに続く敗戦に「周りからは『試合間隔が短くてダメージが抜け切っていないのでは』と言われた。しばらくは家族とゆっくり過ごしたい」と話した。