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[試合後談話]2024.9.3

井上尚弥とドヘニーが激戦

 世界スーパーバンタム級主要4団体(WBA/WBC/IBF/WBO)統一王者の井上尚弥(31=大橋)が3日、挑戦者にTJ・ドヘニー(37=アイルランド)を迎えて、東京・有明アリーナで開催された「NTTドコモ presents Lemino BOXING」のメインイベントで対戦した。

最後は左ボディ!

 徐々にペースアップを始めた尚弥に対して、左ストレートも見せたドヘニーだったが、6回に尚弥が上下に連打を打ち込む場面があった。試合が決まったのは7回。左ボディを尚弥が打った後に、ドヘニーが突然、右足を引きする仕草を見せて、試合続行を断念。モンスターの破壊力を知ることとなった。

井上ファミリーに注目!

 試合後のリング上でインタビューに答えた井上は、「ダメージの蓄積はあったと思う」と、突然の決着にも落ち着いた様子で、試合が後半戦に突入したことには、「ドヘニー選手の試合運びの上手さが、こういう試合にさせた」と挑戦者を称えた。

 リング上で、モンスターを称えたトップランク社のボブ・アラム氏は、「今年、もう一試合日本で試合をした後、来年はラスベガスで試合を組みたい」と、さらに大きな舞台を用意することを宣言した。

ボブ・アラム氏と大橋秀行会長

 4本のベルトを提げて会見場に入った尚弥は「内容的にはこれからだったが、結果としてこうなったのは仕方がない。今日はセコンドの指示通り、丁寧に戦うというのをイメージしてやったので内容的には悪くなかったと思う。ドヘニーはパワーは多少感じたがびっくりするほどではなかった。中盤くらいからショートの右が当たり始めて、距離感も掴めてきたのでその辺りから手応えのあるパンチも当たり始めた」と試合を振り返った。

ドヘニーは続行を諦めた。

 普段よりも慎重に試合を始めたことに「今回はそういうテーマだったので慎重に入った。中盤、6、7ラウンドくらいからプレスを強めて12ラウンド通して組み立てていこうと思っていた。後半にかけてしっかりと見せ場を作ろうと思っていたがこういう結果になってしまったので、たらればになってしまう」と解説した。

 普段よりも重い62.7kgでリングに上がったモンスターは、「今回は意図的にボクシングスキルが落ちない程度に増やせるだけ増やしてみようと試してみたが、その体重の作り方も踏まえ当日の適正体重がどのくらいなのか定めていこうと思う。今回は若干重かったかもしれない」と苦笑いした。

 次戦に関して「次は12月という話もあるので会長と相談して決めていきたい」と年内にもう一試合することに前向きな姿勢を見せた。

ドヘニー陣営

 ドヘニーは、治療を優先したため、会見には出席できなかったが、ドヘニーの専属トレーナーのヘクター・バミューデス氏は「もし、明日6ラウンド後の続きが出来るならやりたい。医師の診断も受けたが問題ない。6ラウンド目に腰を痛め、7ラウンド目に酷くなってしまった」と説明した。

 マイク・アムタムラ・プロモーターは、「これだけたくさんの記者が集まり、井上尚弥をはじめ、素晴らしいボクサーが日本に揃っているのが会場の記者を見てわかる。結果的にはどうであれ、ドヘニーは誇り高く、日本で連勝を築いた中での黒星は残念だが、井上相手に果敢な姿を見せたし、37歳だがまだまだやれる。(その実力が)井上の当初のプランを変えさせたように見えた。ヘクターという素晴らしいトレーナーと共にこれからも、もっともっとやれる」と、ドヘニーの再起に期待した。


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