
![]() 試合日程 | ![]() 試合結果 | ![]() 動画ニュース | ![]() ランキング | ![]() 選手検索 |

――今回、「ファイナルドラフト」に参加すると決めた理由を教えてもらえますか。
長谷川 まずは、もう一度闘う場所に立てるということ。さらに、それに向けてモチベーションを上げてトレーニングができるということ。つまり、アスリートとして断る理由がありませんでした。
――準備期間はどのくらいあったんですか。
長谷川 正式に参加が決定してから本番までは3、4ヶ月はあったと思います。僕自身がトレーニングで準備を始めたのは、2カ月弱くらいだったでしょうか。
――内容や、ほかにこんな選手が参加するという情報は事前に入っていたんでしょうか。
長谷川 いや、全く教えてもらっていません。宿泊先のホテルでも参加者同士が顔を合わさないように細心の注意が払われていましたから。
――では、優勝賞金の3,000万円については、もし獲得したら、家族のためにとか、自分のジム(KOBE長谷川ボクシングジム)のために使おうとか、考えていなかったんですか。
長谷川 そもそも勝ち残って優勝するなんて思っていませんでしたから。目隠しを取ってメンバーを見たときも、名前も現役時代の姿も知っている人もいれば、名前や背景を知らない人でも、実に素晴らしい体格をしている人、しかも若いし……そんな中で自分が勝ち残れるなんて1ミリも思ってませんでした。とにかく、ファーストステージで消えるのだけは避けようと思っていましたね。

――今回は、セカンドキャリアを踏み出したアスリートの皆さんが集結したわけですが、長谷川さん自身は、現役に関してやり残したこととか、これをやっておけばよかったみたいなことはあるんですか。
長谷川 全くありません。女子サッカーの澤(穂希)さんが引退会見のとき「満足ではなく納得」という言葉を残しましたが、その伝で言うと僕の場合、満足も納得もしてリングを降りましたから。ああすればよかった、こうすればよかったなんて悔いは一切ありません。世界チャンピオンのまま現役を引退しましたが、あれでよかったと思っています。ボクシングを好きなまま辞めることができたので、今でも練習を続けているくらいです。
――長谷川さんのセカンドキャリアで言うと、今度、ジムがプロ加盟され、これから選手の育成にかかっていかれると思うんですが、選手はどうやって集めるんですか。
長谷川 それは僕が聞きたいところです(笑)。プロ志望の人間もたまには来ることがありますが、僕は特にプロ志望者に対しては厳しいですから、まだまだプロとして育てようという人材には当たりませんね。この「ファイナルドラフト」でいいところまで行って、長谷川穂積の名前をさらに広げていければ、僕のところでボクシングをやりたいという人間が集まってくるかもしれません。
――関西のジムから世界チャンピオンをとおっしゃっていましたが、やはり、そうした思いは強いものがありますか。
長谷川 それは、そうです。今は、どうしても関西の選手もみんな関東に行ってしまいますから、関西のジムを盛り上げていかないと。すぐには無理かもしれませんが、関西には長谷川ジムがあり、世界チャンピオンを輩出していると言われるようになりたいですね。

――関西が盛り上がれば、ボクシング全体も盛り上がりますから、ぜひ、頑張ってください。今回、いろいろな競技がありましあが、その中で、これは武器になる、自分だったら絶対的自信があるなというものがあれば、教えてもらえますか。
長谷川 山中(慎介・元WBC世界バンタム級王者)くんとやった「タッチボクシング」ですかね。相手役が誰かは分からないとき、山中くんだったら面白いなと言っていたら、ほんとうに彼が登場したのでびっくりしました。と同時に嬉しかったですね。後輩だけど、一緒に合宿した仲ですから。タッチボクシングとパルクール、どちらを選ぶか悩みました。ボクシングを選ぶと、元プロとしてはズルいのかなとも思いましたし。でも、元世界チャンピオン同士の夢の対決だからとの声もあったので、勝つかどうかは半々だなと思って山中くんとの勝負に挑んだんです。でも、僕以外の全員に少なくとも1回目は勝てよと思いましたけど、結果は……(笑)。