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元日本フライ級王者で日本同級1位の粉川拓也(34=角海老宝石)が8日、後楽園ホールで開催された「SLUGFEST.9」のセミファイナル、フライ級8回戦で渡邉秀行(34=Reason郡山)と拳を交えた。約10ヶ月ぶりの試合となった粉川が存在感をアピールしたのか、それとも福島から乗り込んできた渡邉が下克上を果たしたのか――。
粉川が競り勝った
初回、粉川がサイドに動きながら右フックを好打すると、サウスポー渡邉は中間距離から左ストレート、右フックで対抗し打ち合いに持ち込んだ。しかし、中盤は距離が噛み合わずともに決定打が少ない展開。渡邉が先に仕掛け、粉川が打ち終わりを狙った。終盤に入ると激しいパンチの交換となったがここでも決め手に欠け、割れた採点は粉川がジャッジ2者の支持を得て勝利した。
これから勝ち続けていく
控室に戻った粉川は、「途中から足がつりそうになり踏み込むことができなかった。ジャブで捌いているつもりだったが…。相手が頭から突っ込んできてやりにくそうな顔をしてしまった」と辛勝に首をひねった。しかし、「セコンドのアドバイスが聞こえ、練習でやってきたことが前半で少しは出せた」と前向きなコメントを残すと、「今のチームは始まったばかり。これからさらに練習でしてきたことを出していきたい」とさらなる飛躍を誓った。
元王者に肉薄したが…
一方、1ポイント差に泣いた渡邉は控室に戻ると涙でタオルを濡らした。「相手はボディが効いて嫌な顔をしていたし、6ラウンドのボディストレートでもフラついていた。やりにくさはあったが手応えはあった。負けはないと思った」と悔しさをにじませた。連敗を止めたかったと話すと、「引き分けでも良かった。今日は何としても勝ちたかった」と唇を噛んだ。
採点表