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[引退]2022.9.11

元日本王者の久我勇作が引退

 元日本スーパーバンタム級王者の久我勇作(31=ワタナベ)が11日、SNS上で引退を発表した。2010年11月にデビューすると、左右ともに抜群の破壊力で頭角を現し、2017年、2019年5月と、2度日本タイトルを獲得した。

 今年1月、当時の日本王者の古橋岳也(川崎新田)に挑戦し、引き分けた試合がラストファイトとなった。電話取材に応じた久我が、これまでのボクシング人生を振り返った。
ラストファイトとなった古橋岳也戦
 1月の試合後、現役続行について悩んでいる中で、3月に長男が誕生。「息子の顔を見ているうちに、試合をするのはもういいかなと…」と引退を決意。ジムには5月に意思を伝えた。
2度目の挑戦で王座を獲得
 豪快な倒しっぷりで、ファンを魅了した人気ボクサーだった。ベストバウトを聞かれた久我は、2017年2月に石本康隆(帝拳→引退)に2回TKO勝ちし、日本タイトルを奪った試合を挙げた。「日本チャンピオンを目指していた中で、達成できた。石本さんに勝つことを目標にしてきた。リベンジして、ベルトを獲ることができてうれしかった」。

 「なんとしても勝つ」という気迫に満ち溢れた攻撃で、石本からベルトを奪い取った。
「いずれボクシングに携わっていければ」
 これまで数々の激闘で、ファンの記憶に残る名勝負を何度も演じた。「自分と戦った古橋さん(古橋岳也=川崎新田)、和氣さん(和氣慎吾=FLARE山上)、田村さん(田村亮一=JB SPORTS)には、これからも頑張ってほしいと思う」と拳友にエールを贈った。

 今後は、サポートしてもらったスポンサーの会社で、第二の人生をスタートする。「ボクシングは好きなので、いずれ何かしら関わっていければ」。
生涯戦績:27戦20勝(13KO)5敗2分
 「ボクシングを通じて、たくさんの人と知り合うことができたし、家族に喜んでもらうことができた。これまで何をやっても中途半端だったが、世界チャンピオンという目標は達成できなかったが、日本チャンピオンになることができた。最高のボクシング人生だった」と、12年間のボクシング人生を振り返った。
久我選手、お疲れさまでした
 試合はもちろんだが、練習の時に見せた久我のミット打ちを覚えている。ジム内に響き渡るパンチ音がすさまじく、リズミカルなコンビネーションは、見ていて心地よかった、取材に行く際は、いつも楽しみにしていたものだ。

 久我の試合や練習を見られなくなるのは寂しいが、これからの人生でも、活躍することを願っている。

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