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[引退式]2019.5.31

戸部洋平「皆さんの応援は僕の宝物」

 第36代日本スーパーフライ級王者の戸部洋平(32=三迫)の引退式が31日、後楽園ホールで開催された「三迫一門会.68&GENKOTSU.4」のセミファイナル前に執り行われ、日本ボクシングコミッション、日本プロボクシング協会より記念品が、ジムの選手を代表して先輩の小原佳太から花束が贈られた。
 戸部はアマチュアで国体2連覇の実績を残し、2011年2月にB級デビュー。スピードと破壊力のある右ストレートを武器に3戦目で後の世界王者・河野公平(ワタナベ→引退)に競り勝ち、一気に名を挙げた。
11年10月の河野公平戦
 5戦目で当時のOPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者・赤穂亮(横浜光)に挑み初黒星を喫したが、10戦目の14年4月に江藤大喜(白井・具志堅スポーツ→引退)と空位の日本王座を争い、9回TKO勝ちで戴冠をはたした。初防衛戦で石田匠(井岡)に敗れた後にブランクを作るが、16年4月に南アフリカでWBAインターコンチネンタル王座を獲得するなど再起後は5連勝(4KO)を飾り、復活を印象付けた。しかし、昨年6月にメキシコで元IBF世界ミニマム級王者フランシスコ・ロドリゲスJr(メキシコ)に2回KO負けを喫し、この試合を最後に12月に引退届けを提出した。プロ戦績は17戦13勝(9KO)3敗1分。
素晴らしい選手だったと三迫会長
 先に三迫貴志会長が挨拶に立ち、「残念ながら世界挑戦は叶わなかったが、才能に恵まれながら努力を怠らない素晴らしい選手だった」と称え、地元の千葉・鴨川市役所職員として第2の人生を歩み始めた戸部の前途を祈った。
最後は10カウントゴングでリングに別れを告げた
 続けてマイクを握った戸部は、「このリングに立つとデビュー戦が昨日のことのように思い出されます。日本チャンピオンになり、たくさんの人に応援してもらったことは僕の一生の宝物」と感謝し、「今後はボクシングで培った経験を活かし、鴨川市のスポーツ振興課で地元に貢献したい」と笑顔で語った。

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