元東京五輪日本代表の森脇唯人(29=ワールド)が2日、東京ドームで、OPBF東洋太平洋・WBOアジアパシフィック(WBO-AP)スーパーミドル級統一王者のユン・ドクノ(30=韓国)に挑戦した。
森脇がシャープで角度のある左で先制。2回には打ち下ろしの右ストレートを決め、返しはバックステップで回避した。ユンは右を狙うが、スピード差に苦しみ、捉えきれない。森脇はリズムよく攻めて主導権を握る。4回は接近戦で打ち合いとなり、ユンがバッティングで左目上をカット。5回には森脇も右目上をカットした。途中の公開採点は1-2で森脇がリード。
後半は消耗戦。ユンが手数で食い下がるが、森脇は回転力のある連打で対抗。終盤、森脇が右アッパーを効かせて流れを引き戻した。採点は割れたが森脇を支持。OPBF・WBO-APスーパーミドル級の新王者に輝いた。
2本のベルトを手にした森脇は「結果としてベルトが手元にあるのとないのでは、この先の展開が違うと思う。獲れたこと自体は良かったが、内容については先ほど(齋田竜也)会長や菅原(靖司)トレーナーにも叱られた。自分でもまだまだだと感じているので、しっかり修正して次のステップに進みたい」と反省の弁を口にした。
同席した齋田会長は「率直に勝ち切れたことは非常に嬉しい。大橋会長にこのようなチャンスをいただき感謝している」とコメント。「相手の土俵で戦う展開だったが、その中でもクリーンヒットは森脇が上回っていた。ああいうボクシングができるようになったと感じたし、勝ち切れたことで安心した」と評価した。
また、菅原靖司トレーナーは「本人は今回の試合は前回の続きではないと言っていたが、結果同じような展開になった点についてはダメ出しをした。ただ、その中で接近戦をものにしてチャンピオンになったことは良かった」と語った。
試合内容について森脇は「距離を取るラウンドと密着するラウンドになることは想定内だったが、うまく対応しきれなかった。映像を見てしっかり反省し、修正していきたい。自分は『そういう日もある』と切り替えられるタイプなので、また見直して改善したい」と課題を挙げた。
4ラウンドにユンがカットした場面について前回の試合のような展開にならないかフラッシュバックしたか?と問われると「前回は2ラウンドでカットし、流れる血か汗かに焦って打ち合いになったが、今回は焦らずにボクシングをしようと意識していた」と冷静に振り返った。
さらに「自分に都合のいい言い方になるが、ユン選手は非常にやりにくい相手だった。プロ2戦目、3戦目であの戦い方で勝てたことは、今後に向けていい経験になった」と手応えも口にした。
最後に「こうした早い段階でタイトルマッチの機会を設けていただいた齋田会長や大橋会長に感謝している」と周囲への謝意を述べたうえで、日本に世界スーパーミドル級のベルトがない現状について問われると「はい、期待してください。これからまた頑張ります」と力強く語った。
試合後会見に姿を見せたユンは、「まず結果が伴わず申し訳ありません」と語ると「判定結果は受け入れます。後悔のない戦いはできましたし、東京ドームという歴史的な大きな会場で試合ができたことに感謝しています。大橋会長にも感謝の気持ちを伝えたい。韓国から応援に来てくれた皆さん、日本のファンの皆さんにも本当に感謝しています」と答えた
今回の試合のプランと出来について聞かれると「序盤は状況を見ながら進めて、4ラウンド以降はインファイトに持ち込む作戦でした。全体としてはプラン通りに進めることができたので内容に不満はありません。ただ、いいところをお見せできなかったのは残念です」とサバサバした表情で語った。
セコンドとして同席したチェ・ラクサンマネージャーも、会場の雰囲気に触れた。「東京ドームという大きな会場で試合ができて光栄ですし、日本の観客の皆さんの前で戦えたことにとてもワクワクしました」と感謝の意を言葉にした。