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日本スーパーフライ級王者の久高寛之(仲里)が10日、大阪市内のエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第2競技場)で開催された井岡弘樹ジムのイベント「CHAMP FIGHT.4」のメインで同級1位の奥本貴之(グリーンツダ)を迎えて初防衛戦のリングに上がった。元同門で先輩後輩対決となった試合は、開始からジャブで先制した奥本が好スタートを切った。
念願のベルトを巻いた奥本
試合は、序盤から接近戦となったが手数を出し続けた奥本が先輩の久高の牙城を崩した。ジャブで先制した奥本は、飛び込む久高に左右のフックを当てた。対して、久高は接近して左右フックをボディに強振した。5ラウンド終了時点での途中採点は、3者とも1ポイント差で挑戦者の奥本を支持。6ラウンド、プレスを強めた久高が左ボディから飛び込んで右を伸ばした。もみ合うことが多い両者だが、手数は奥本が上回った。後半、久高がさらに圧力を強めたが、手数で押し切った奥本が判定勝ちで念願の日本チャンピオンとなった。
苦しかったですと奥本
2度目の挑戦でベルトを腰に巻いた奥本は開口一番「苦しかったです」と大きく息をついた。「作戦通りの戦いではなかったですが、諦めずに打ち続けることができて良かったです」と試合を振り返った。最後に「会長や、島田先生、仲間を信じ続けて良かったです。応援ありがとうございました」と大粒の汗を拭い喜びを噛み締めた。
本石昌也会長
本石昌也会長は「本当に作戦通りではなかったですね。もっと足を使っていく予定でしたが、2ラウンドから接近戦になってしまいました。でも、諦めずにやってくれました。奥本の成長がチャンピオンベルトを引き寄せました。良くやったと思います」と喜びに浸った。
島田信行チーフアドバイザー
奥本を指導する島田信行アドバイザーは「久高チャンピオンのボディ打ちは予定通りやった。あれをしっかり返していけたのが良かった。途中採点はもっと開いていると思ったが…」と採点には不満を漏らした。
情けないと久高
一方、初防衛に失敗した久高は「悔しいですね」と声を絞り出した。「あそこまでガチャガチャの接近戦になると思わなかった。クリンチしてくるのは予想していたが、もっと振りほどいていくべきやったと思います。情けないですね」と肩を落とした。