[公開練習]2025.5.16
力石政法! 最後は相手が倒れている!
IBF(国際ボクシング連盟)スーパーフェザー級3位の力石政法(30=大橋)が16日、横浜市内のジムで報道陣に練習を公開した。
力石は、5月28日(水)、横浜BUNTAIで開催される「NTTドコモ Lemino BOXING 世界タイトルマッチ」のセミファイナルで、同級1位のエドアルド・ヌニェス(27=メキシコ)との王座決定戦に臨む。
ようやく辿り着いた念願の世界初挑戦だが、表情は明るく、決戦を楽しみにしている様子を伺わせた。
会見の冒頭、「バッチグーです!」と冗談を交えながら、完成度の高さをアピール。続けて、「これまでの試合も人生を懸けて戦ってきたので、世界戦だからといって変わるものではない。リラックスできている」と、笑顔を見せながらも闘志を燃やした。
報道陣との場を和ませるちょっとした冗談も、世界タイトル挑戦に向けた意気込みの現れだ。
3月17日(月)の記者会見では、「負けたら辞めるつもり」と宣言していたが、今回は「訂正させてください。もちろん勝つが、負けても辞めません」と明言。大橋ジムの一員としての技術向上に手応えを感じ、「練習が充実していて、質も向上している。練習に行きたくないという日が一日もない。自分の限界は、ここではない」と充実感を口にした。
充実した練習に手応え
大橋秀行会長は、「これが最後の挑戦だと思うと、萎縮してしまうもの。たとえ負けたとしても、何度もチャンスは巡ってくる」と、選手のメンタル面を支える言葉を送った。大橋ジムで世界チャンピオンになった八重樫東や川嶋勝重などの先輩たちも経験したきたことだとし、力石の精神状態の改善にうなずいた。
昨年7月に大橋ジムへ移籍後、元日本スーパーフェザー級王者の岡田誠一氏と2012ロンドン五輪日本代表の鈴木康弘氏が力石をサポートしている。大橋会長は「これだけ才能を持った選手。考えた結果、接近戦を教えるのが上手い岡田と、オリンピックに出て離れて戦うのが上手い鈴木をつけようと思った」と、2人の指導体制を説明。
公開練習後もヌニェス対策に集中し、ハードな準備を続けていた。
兄の矢吹正道(32=LUSH緑)が3月29日(土)にIBF世界フライ級新王者に輝き、兄弟同時世界チャンピオン誕生も期待される。力石は「兄が拳四朗選手に勝って初めて世界チャンピオンになった時、自分は日本ランカーで歯がゆい思いもあったが、自分のペースで勝ち続けてここまでやってきた。先日、兄が勝った姿を見て、自分が(王座を)獲らないといけないという義務感を強く感じている」と、決意を新たにしていた。
ベルトを争うヌニェスは、28戦27勝(27KO)1敗と圧倒的な戦績を残している。後半にKO勝ちしているのも特徴的だ。力石は「ゴツゴツとしたパンチで相手の体力を削っていくタイプだが、自分はスタミナには絶対の自信がある。勝てばどんな内容でもいいが、自分には相手が倒れているのが見えている」と意気込んだ。
会見後には、シャドーボクシング、ミット打ち、スティックミット、ドラムミット打ちを披露。キレのあるワンツー、左ボディアッパー、逆ワンツーなど多彩な技を見せながら、ドラムミットに強烈な右アッパーを叩き込み、ジムに快音を響かせた。
「当日は最高のパフォーマンスを見せて、世界チャンピオンになる」。力石は晴れやかな表情で意気込みを語った。集大成のリングで世界の頂点を掴む。
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