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[試合後談話]2024.5.26

和歌山でKO決着連発!

 クラトキジム主催の「第27回 紀の国 KOボクシング」が26日、和歌山ビッグウエーブで行われ、全6試合で熱戦が繰り広げられた。

 メインイベント59.0kg契約8回戦では、2022年全日本スーパーフェザー級新人王の大谷新星(23=真正)が、3戦全勝(3KO)のチャパヤク・スリスワ(28=タイ)と対戦した。この日6試合中、5試合がKO決着で、会場に詰めかけた850人の観客は大いに盛り上がった。
再起戦を勝利!
 ジャブを飛ばしてリズムを作った大谷は、2回にプレスをかけて左ボディを痛打。チャパヤクの右ストレートをブロックすると、4回にパンチをまとめてダウンを奪った。5回、大谷は右ボディアッパーでダウンを追加すると、畳みかけてフィニッシュした。
「まだまだ課題だらけ」
 最後はしっかりと締めた大谷だが、「冷静に戦うことを心掛けたが、相手を見すぎてしまった。久しぶりに勝ったが、課題だらけ」と、KO勝ちにも決して満足はしなかった。

 ジャブを軸とした丁寧な試合運びが目を惹いた。「右ストレートだけに頼るのではなく、捨てパンチやコンビネーションを意識した。丁寧なボクシングとアグレッシブのバランスが大事ですね」。

 今後の目標を聞かれた大谷は、「ベルトを巻くなんて、いまの自分にはまだまだ早い。まずは、年内にランカーに返り咲くこと」と抱負を語った。

ランキング返り咲きを目指す

 コンビを組む井上孝志トレーナーは、「途中から肩の力が抜けたが、初回はムキになっていた。今日は良くなかったですね。まだまだ勉強していかないといけない」と今後の成長に期待を寄せた。
藤川悠(クラトキ)が地元で勝利!
 第1試合、西日本新人王ライト級4回戦では、藤川悠(32=クラトキ)と宮下和政(36=尼崎)が拳を交えた。藤川が距離を潰してボディにパンチを集めると、4回に右フックから連打で試合を決めた。

 トーナメント初戦を突破した藤川は、「ポイントで勝っていたが、会長から『倒してこい』と指示が出て仕留めにいった。2年前の和歌山での興行では負けたので、地元で勝つことができて本当にうれしい」と喜びに浸った。

2年前の雪辱を果たす

 「コナー・マクレガー(総合格闘家)のように、格闘技で金と名誉を得たいと思って」と、24歳でボクシングを始めた藤川。コロナ禍などの影響でデビューしたのは28歳と遅かったが、これで4勝目を挙げた。「新人王トーナメントを勝ち上がっていく」と拳を握り締めた。
村山浩(クラトキ)がデビュー戦勝利!
 第2試合フェザー級4回戦では、村山浩(23=クラトキ)と宇賀久倫(21=JX)が激突。初回、サウスポー宇賀の左ストレートを浴びてダウンを喫した村山だが、2回以降はプレスをかけてワンツーで反撃。4回、左フックでダウンを奪い返して、逆転勝ちした。

 デビュー戦を飾った村山は、「応援に来てくれた人たちに良いところを見せられたと思う。最高の気分!」と満面の笑みを浮かべた。

ジム入門2ヶ月でプロテスト合格

 幼少期からキックボクシングをしていた村山は、キックボクサーの武尊選手(32)の大ファンだが、2022年6月に那須川天心(25=帝拳)との試合で敗れたのを見て、「自分が那須川選手を倒す」と、昨年9月にクラトキジムに入門し、わずか2ヶ月でプロテストに合格した。

 村山は「来年の新人王を目指す。そして、いつか那須川選手と戦えるまで強くなる」と言葉に力を込めた。
原田哲也(クラトキジム会長)
 全試合終了後に取材に応じたクラトキジムの原田哲也会長は、「当初、メインイベントを予定していた森口(森口山都=日本バンタム級9位)戦が怪我のため中止になったので、どうなることかと思ったが、たくさん(観客が)来てくれて盛り上がった。村山はアマチュアキャリアのある相手に勝ったし、藤川もよくやってくれた」と2年ぶりの自主興行成功を喜んだ。

 「森口はよく練習する選手なので、じっくりと育成していきたい。秋に試合を組みたい」と言うと、「選手のためにも、今後も年に一度は和歌山で開催していきたい」と語った。

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