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[相関図]2017.11.3

下剋上が続く男子最軽量級

 日本人世界チャンピオンが2人いるミニマム級は、既に国内で下克上が始まっている注目の階級。現在、WBOの王座に就いている山中竜也(真正)は、2月にこのベルトを巻いた福原辰弥(本田F)から8月にチャンピオンシートを奪い取ったところだが、王座を明け渡した福原は11月25日の再起戦でWBC王者のワンヒン・ミナヨーティン(タイ)に挑む。ワンヒンは48戦全勝中の絶対王者。
 日本人世界チャンピオンに話を戻すと、山中とIBF王者の京口紘人(ワタナベ)は、それぞれ年内に防衛戦を迎える可能性が高い。この2人を追うのが東洋太平洋王者で11月11日に防衛戦を控えている小浦翼(E&Jカシアス)と、挑戦者でこの試合を足がかりに一気に世界戦線参入を目指す谷口将隆(ワタナベ)。
 また、日本王者の小西伶弥(真正)も存在感を示している。山中と同門の小西は谷口と4月に対戦して、判定の末に競り勝つと、9月には谷口と同門の小野心(ワタナベ)からも勝ち星を挙げた。では、小西はどこを狙うのか――。同門対決はないので、もう1人の日本人世界チャンピオンに照準を合わす必要がある。IBF王者で谷口と小野と同門の京口だ。
5年前の井岡と八重樫の統一戦
 この階級のもう一つの見どころは、東のワタナベジムと西の真正ジムの因縁対決。今のところは、神戸に軍配が挙がっている両ジムの今後の絡みからも目が離せない。
 東のジムで忘れてはならないのが、横浜の大橋ジム。後に揃って世界三階級制覇した八重樫東(大橋)と井岡一翔(井岡)の世界王座統一戦が実現したのはこの階級。今、大橋ジムのミニマム級戦士といえば原隆二(大橋)。WBOではライトフライ級で世界ランキング入りしているが、WBA、WBC、IBFの3団体で上位世界ランキング入りを果たしている。2015年9月に注目を集めた高山勝成(仲里→引退)への世界挑戦を含む戦績は25戦23勝2敗と申し分ない。
 話は脱線するが、ミニマム級は物語が多い。高山勝成は世界の主要4団体(WBA/WBC/IBF/WBO)全てのベルトを巻いた日本人唯一の選手。前述の日本で唯一行われた世界王座統一戦を彷彿するビッグマッチにも期待したい。
 象徴的な世代交代と下克上を繰り返すこの階級は加納陸(大成)や栄拓海(折尾)など新鋭達も着実に力をつけてきている。今後の動向も要チェック!

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