小國以載の作戦名は耐え恥

　大晦日の京都・島津アリーナでIBF世界スーパーバンタム級王座に挑む同級5位の小國以載(28=角海老宝石)が22日、難攻不落の怪物チャンピオン退治に向け都内のジムで最後の練習を公開した。小國の世界初挑戦を受ける王者、ジョナタン・グスマン(27=ドミニカ共和国)は今年7月、世界王座決定戦で和氣慎吾(古口)を11回TKOで敗って初戴冠。大晦日の試合が初防衛戦だが、無効試合一つを除くとこれまで、22戦全てでKO勝利を収めている。
　試合の模様は当日TBS/MBS系列にて全国生中継される。

　14日に行われた前回の公開練習で忠臣蔵の大石内蔵助姿で登場した小國はこの日、サンタクロースに扮し報道陣に地元・赤穂の名物、塩見饅頭を配り一足早いメリークリスマス。試合まで10日を切ったとは思えない緊張感の無さを見せたが、やはりプレッシャーはあるらしく、ボクサー人生で初めて眠れない夜を過ごしていると明かした。それでも仕上がりは順調でウェイトは練習前で残り2�s。やるべきことは全てやり尽くし、後は疲れを抜く最終調整を残すのみとなった。

　また、先日テレビ番組で共演した元WBC世界フライ級王者の内藤大助氏が、小國の前半を耐えて後半に懸ける戦略をTBSの人気ドラマにちなんで「タエハジ(耐え恥)作戦」と命名。これを聞いた小國は「世界を獲って人生を変えた人は発想が違う。俺もやったろうかと思うようになった」と刺激を受けていた。

　練習でマススパーリング、ミット打ちなど12ラウンドをフルに動いた小國は、スムーズな足の運びから常に前の手で相手を牽制することを意識。そこから上下に変化をつけた左は抜群のキレを見せた。これまでは不安を口にすることの多かった小國だが、身体が仕上がり「だいぶ楽しみが増してきた」と自信のコメント。「不利な予想は否定しないが勝算はある」と意気込んだ。ボクシング人生を懸けた大一番まであと9日。"赤穂の流星"が輝く瞬間を待ちたい。