能登さんは後に僕のライバルになりました。
初対面の時はストレッチ中に足の踵を打って痛がりつつ照れ笑いたのが今でも思い出します。
あきらかに世間一般的なボクサー像とは真逆な人で、当時はボクシングもお世辞にも上手いとは言えなかったですね。
が、しかし能登さんの練習風景は他と少し違っていまして、練習量の多さはもちろん人一倍以上でしたが、なにより地味に目立たずコツコツ同じ事を丁寧に延々と練習していました。
そこに能登さんの人間性が垣間見られ、
言うまでもなく僕はこの人を尊敬しました。
でもボクシングは別です。ジムメイトにも負けたくありません。
しかし、僕はまだまだペーペーで能登さん、当時のジムメイトの熊谷(後のスーパーライト級日本ランカー)にもプロテスト受験とデビュー戦を先に越され、
悔しい思いを噛み締めながら二人が後楽園の華々しい舞台で勝利しガッツポーズをしているのを眺めていました…
次回に続く。