試合:多田5度目の防衛戦。立ち上がり、サウスポー多田がスピード感溢れる右ジャブで距離を活かし、左ストレートを上下に打ち分け、『THE ROCA』の異名を取るサモラの堅いディフェンスを崩しに掛かる。がっちりとした上半身のサモラは、強引なプレスから左フック・右アッパーで接近戦に持ち込みたいが、多田は足を使い、右ジャブでサイドに動いて左ストレートを突き刺す。中盤5R、多田の鋭い左ストレートがサモラの顔面を打ち抜くも、暫定王者は圧力を掛け続ける。終盤、圧力を増すサモラの左右フックがヒットすると、多田のセコンドからは「打って動け!」と指示が飛び、冷静に右ジャブ・左ストレートで左右に動き、サモラを捌く。最終10R、サモラは最後までプレスを掛け続けるが、距離をキープする多田は左ストレートを浴びせ、ここで終了のゴング。両者は自分が勝者だと両手を挙げファンにアピール。意気込みで多田が語った通り、闘牛とマタドールを思わせる試合は、左ストレートで多田が最大で6ポイント差を奪い、WBA女子世界ミニマム級統一王者に輝いた。★