試合:アマチュア世界選手権金メダリストで今年3月にプロデビューした坪井が、日本最速タイ記録となる2戦目で地域王座に挑んだ。ベルトを争ったのは、ベトナム人ボクサーの世界ランカー・トラン。初回、坪井がハンドスピードを活かしたジャブを上下に散らして丁寧な組み立て。2回、坪井はステップインからパパっとパンチをまとめて積極的な攻撃。時折、キレのある右カウンターを返したトランだが決定打を打ち込めず。3回も坪井のラウンド。右ボディストレートを決めると返しのパンチを距離で外して対応、続く回もトントンとステップを刻みながら的確に打ち込んだ。5回、右につなげたいトランだが、坪井のテンポについていけず。7回、坪井はギアを上げて連打で攻勢。トランは「来い!来い!」と手招きをして強気の姿勢。8回も坪井は攻撃の手を緩めず攻め立てた。トランはヒッティングで右目上を腫らした。9回、坪井は左ボディから一段ギアを上げて連打で攻勢を印象付けた。10回、坪井は距離を潰してボディ攻撃から高速連打で倒しにいくが、トランも世界ランカーとしての意地を見せた。坪井が判定勝ちでWBOアジアパシフィック・バンタム級新王者に輝いた。