試合:注目のバンタム級王座戦。武居と比嘉の対決に有明アリーナのボルテージは一気に上がった。最初に入場したのは、これが6年5ヶ月ぶりの世界戦の比嘉。落ち着いた表情でゆっくりとリングインすると盛大な拍手が送られた。続けてチャンピオン武居の入場。険しい表情で集中力を感じさせた。ロングレンジで緊張感あふれる攻防。2回、パンチを交錯させる中有効打で上回ったのは比嘉。左フックをねじこんだ。3回、武居は入り際に右アッパーを合わせると返しの左フックをスウェーで回避。4回、比嘉は右フックからロープに詰めて嵐のような連打で攻勢。武居はクリンチで流れを切った。5回、ジリジリと距離を詰める比嘉とサイドにステップを切る武居の構図。比嘉はヒッティングで右目下をカットした。6回、大吾コールと武居コールが沸き起こる中、武居が右アッパーを突きあげれば、比嘉もリターンの右フックで対抗。このラウンドは武居の試合運びが上回った印象。8回、比嘉はステップインから距離を潰してボディに集中砲火。9回、さらに圧力を強めた比嘉は、ロープに詰めて連打で見栄えの良さをアピール。10回、一進一退の攻防を繰り広げる中、比嘉がプッシュしながら連打で攻勢。相手の左目上を切り裂いた。11回、比嘉は右フックで顔を弾くと左フックを引っかけてダウンを演出。12回、武居はプレスをかけて左右アッパーから連打で攻勢。ダウン寸前のピンチに陥った比嘉はクリンチで乗り切った。試合終了のゴングが鳴ると死闘を繰り広げた2人は抱き合って健闘を称え合った。ジャッジに委ねられた採点は武居を支持。壮絶な打撃戦を制した武居が初防衛に成功した。敗れた比嘉だがリングを降りると大きな拍手が送られた。ベルトを死守した武居は比嘉に感謝の気持ちを言葉にした。