試合:注目のスーパーバンタム級王座統一戦。WBOアジアパシフィック王者の井上と日本王者の古橋が対峙した。初回、井上がシャープな左から組み立てると距離をキープ。対する古橋はプレスをかけながら捕まえに行く展開。2回、井上が左を軸に攻めるが、古橋もショートパンチで応戦。偶然のバッティングで古橋は左目上をカットした。3回、井上の右ショートアッパーが冴えわたる。コツコツと当てると左フックで顔を弾き優勢に進めた。4回、流れを変えたい古橋は手数を増やすが井上は反応の良さを見せるとサイドに回り込んで有効打を集めた。5回終了時の公開採点は50-45×3で井上がリードした。7回も井上のラウンド。相手のパンチを巧みにかわすと左のダブル、右アッパーとリズム感のある攻撃を見せた。なんとかペースを奪いたい古橋は9回、回転力を活かした連打を繰り出すが、井上はしっかりと見切ると絶妙なポジション取りを披露。付け入る隙を与えなかった。10回、古橋は相手のパンチで左目上をカット。さらに苦しくなった。最終12回も井上はしつこく前進してくる古橋を捌き切った。最初から最後まで自分のボクシングを貫いた井上が2冠王者に輝き、兄・尚弥に勝利のバトンを繋げた。