試合:昨年12月に王座返り咲きを果たした多田が、韓国で初防衛戦に臨んだ。初回、サウスポー多田がジャブから左ボディストレート、ワンツーを打ち込みリズムを作るのに対し、グエンも打ち終わりに右ストレートで応戦し負けん気の強さを見せる。2回、グエンはプレスをかけてワンツーをヒット。続く回も被弾をものともせず距離を詰めて左フックを好打した。中盤は一進一退の攻防。多田がワンツーを決めればグエンも力強い左フックで対抗した。7回、多田はジャブから組み立てるとワンツーで顔をのけぞらせるが、グエンは手数を増やして応戦。しかし、このラウンドは多田がコンビネーションを決めて見栄えの良さをアピールした。8回、両者とも回転力を活かした連打で一歩も引かず。9回、多田はサイドに回りながら細かいパンチで攻め立てる。すると偶然のバッティングでグエンは左目尻をカットした。10回、手数を増やして積極的な攻撃をしたのは多田。ワンツー連打で攻め切り試合終了のゴングを聞いた。ジャッジ3者ともに2ポイント差でグエンを支持し新チャンピオンに輝いた。韓国に乗り込んだ多田だが、初防衛に失敗した。