試合:地元岡山の期待を背負う阿久井の初防衛戦。東京から乗り込んできた藤北はこれがタイトル初挑戦。ゴングと同時に藤北が距離を詰めて左ボディに狙いを定めて叩き続ける。しかし、阿久井は慌てる素振りを見せずにジャブから左ボディ、打ち下ろしの右ストレートをねじ込む。2回、藤北は顔面を紅潮させながらも前に出るとコツコツとボディを叩き体力を削りに行く。しかし、阿久井はジャブで距離を作りながらワンツーを痛打。3回、お互いに緩急をつけた連打で消耗戦に突入。4回、藤北はショートアッパーで顔を弾くが、阿久井は力強い右ストレートを決めてパンチの威力を見せつけた。前半終了時の公開採点は、48-47(藤北)、49-46(阿久井)、50-45(阿久井)と割れた。6回、阿久井は回転力を活かした連打で倒しにかかるが、藤北は驚異の粘りを見せるとボディにパンチをまとめて意地を見せた。7回もお互いに手数で譲らないが、阿久井がジャブを軸に上手さを見せた。8回、阿久井は絶妙なポジション取りから上下にコンビネーションを決めてダウン寸前まで追い込む。9回、ダメージがあるはずの藤北だが手数を増やして反撃。しかし、阿久井は冷静にブロックして被弾を回避すると、ジャブからワンツーを決めた。最終10回、両者とも真っ向から打ち合い最後まで譲らず。試合終了のゴングが鳴り響くと岡山の観客は拍手し続けた。激戦を制した阿久井が初防衛に成功した。