試合:WBA王座統一戦敗退からの再起戦で2階級制覇を狙う宮尾と、一度は返上したこの王座を再び獲りに行くサウスポーの多田の決定戦。まずはゴングと同時に多田が踏み込み、右ジャブ、左ストレートと繰り出し主導権を奪いに出る。宮尾も細かく体を振っては果敢に飛び込み、左ボディ、右ショートをヒット。2回は多田の左ストレートが踏み込んだ宮尾を捉えるが、宮尾もすぐに離れて立て直し、お返しとばかりに左フックを好打。多彩な攻めを見せる宮尾はさらにアッパー、右ストレートをヒットするが、多田も離れ際に狙いすました左ストレートで有効打を奪うなど、中盤まで一進一退の展開が続いた。5回に入り、リーチ優位の多田が先手の左ストレートで上回りかけると、宮尾も距離を潰しての右クロス、右ショートアッパーで食らいついたが、6回は多田が的確なワンツーをまとめ、攻勢をアピールした。序盤のように動いて手を出したい宮尾だが、ガードの時間が長くなりポイント的に厳しい状況。8回は再び出入りの速度を上げ仕掛けるが、多田に傾いた流れを引き戻すまでには至らなかった。それでも執念を見せた宮尾は9回に手数で上回り、最終10回も相撃ち覚悟で多田にプッシュ。激しい打ち合いのまま終了のゴングを聞いた。ジャッジは割れ、最後の一者は95-95でドロー。決着はつかず、王座は空位のままとなった。