試合:ステップアップを図るためにも内容が問われる末吉は、破壊力のある右を持つ元日本王者の坂を迎え5度目の防衛戦に臨んだ。階級を上げ、一回り逞しくなってホールに帰ってきた坂は、上体を振りながらジャブ、左フックで距離を詰め、スロースターターの末吉を攻め立てた。いきなり強打を効かされた末吉は、距離を保ちながら右を狙うが、坂のジャブを外せず苦しい立ち上がり。2回も坂の左に押し込まれ、左フック、右クロスを効かされダメージが広がった。坂も返しの左フックを浴びたが、攻勢のまま末吉をダウン寸前にまで追い込んだ。この回、ゴングに救われた末吉は、続く3回にジャブ、右クロスで立て直しを図るが、パワーで差がつき、コーナーからなかなか抜け出せなかった。それでも4回に入ると末吉も思い切った左右の強打で対抗し、流れを引き寄せかける。だが、右を効かされスタートした5回は再びジャブ、ワンツーでズルズルと後退し、途中採点は49-46、50-45、50-45と挑戦者にリードを許した。すると6回に坂の強打が爆発。ワンツー、フックをまとめ王者を防戦一方にさせると最後は左フックから右ストレートで倒し、レフェリーストップを呼び込んだ。敵地でのベルト奪取に成功した坂は、応援に駆け付けた関西大同期でWBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(BMB)と喜びを分かち合った。