試合:パンチの重いチャオに、仁平は前半をボディ攻めで弱らせ、後半に主導権を奪う作戦を用意していたが、想定していた以上に重いチャオのパンチに、初回からやや困惑した様子。それでも鋭い左リードで中国人王者の顔を突き上げ、用意していた左フックを何度も痛打させるが、肝心のボディ攻めにはチャオの力強いアッパーを何度も合わされ、主導権を奪えない。チャオが失速しないまま、試合は後半戦へ。チャオのアッパーと両者の頭が何度もぶつかり合う中で、仁平の左目周辺は大きく腫れ上がる。これ以上は選手生命に響くと思ったトレーナーがタオルを投げ、自ら試合を止めに入った。大観衆の会場は完全なアウェイ・ムードだったが、深く頭を下げてリングを降りる仁平には、惜しみない拍手が送られた。