試合:15戦目で初の世界ランカー挑戦となった阿久井は、立ち上がりからスピード全開。ガードを固め細かく前後のフェイントを入れると、一瞬の飛び込みから右ストレートを打ち込み主導権を奪った。サウスポーのアブシードも右ジャブを突きながら距離を測り、左のカウンターを狙うと、2回はサイドへの足を使いつつ踏み込む隙を窺った。しかし、右回りに動けば阿久井の左フック、左回りには右ストレートが被せられ、徐々にロープ、コーナーを背負う場面が増えていった。3回はボディを叩いて阿久井の動きを止めに出たが、逆に左ボディから右を返されペースを落とした。4回はアブシードが左右のアッパーを多用し攻撃に変化をつけたが、阿久井は冷静に軌道を見極めヒットを許さず。5回はペースアップしたアブシードに押されもしたが、左ボディで下から崩すと左フックを被せて押し返した。すると6回はこのボディを効かせたが、反撃に転じたアブシードにボディから上に左を返されダウン。再開直後にも同じパンチで倒れた阿久井は、この回をクリンチとバックステップで乗り切ると、続く7回は開始直後に右アッパーからワンツー、ボディの連打で畳みかけ、アブシードをダウン寸前まで追い込んだ。しかし、このラウンドでスタミナを消耗した阿久井は、8回に息を吹き返したアブシードの猛攻を受け防戦一方となり、最後はコーナーに追い込まれ連打されたところでレフェリーに救出された。