試合:坂本が引退試合の相手に選んだのは名門・習志野高校の後輩越川。全力勝負を約束した二人は、開始から危険な距離でバチバチに打ち合い、満員の会場を沸かせた。坂本が巻き込むような左から右を突き上げると、ジャブ、ワンツーの精度で上回る越川の右も決まり、初回終了間際に坂本の腰がガクッと落ちた。この回、早くもヒッティングで越川が鼻を、坂本が右目上をカット。2回は開始のゴングと同時に坂本がラッシュ。強引にペースを奪いに出ると思い切りよく右を振り回し、今度は越川の膝を揺らした。互いに全弾フルスイングのまま3回に突入。習志野校歌が鳴り響くなか、越川の左右が2度3度、坂本の顔面を捉えるが、息が切れ始めた坂本も勢いをつけては左フック、右クロスで対抗し、先輩の意地を見せた。4回、今度は越川が猛チャージ。一気に仕留めにかかると、坂本もディフェンスを無視して右のオーバーハンドを返し、凄まじい殴り合いを見せた。しかし、坂本は力尽き、この回のインターバルで棄権。11年の現役生活にピリオドを打った坂本には、鳴り止まない拍手が送られた。