試合:無冠ながら今や世界ランクにも名を連ね、8連勝中と飛ぶ鳥を落とす勢いの阿部と、昨年10月に地元・札幌での凱旋試合で岡本ナオヤ(東拳)にまかさの初回KO負けを喫した渡部の対戦。懐の深いサウスポー阿部に対し、渡部は阿部を正面に捉えて離さず。そこから速い踏み込みで右ストレートを打ち込み、立ち上がりのペースを掴みにかかった。2回、阿部は上体を柔らかく動かしては変則的なフォームから右フックであおるが、渡部は集中してパンチをかわし、阿部が体を引くと同時に右ストレートをヒット。阿部と五分に渡り合い、3回は左ストレートを狙う阿部に左フックを合わせるなどヒリヒリとする駆け引きが続いた。すると4回には右ストレートから左フックまでが繋がり渡部が攻勢。しかし、阿部の左ストレートも深く当たりはじめ、5回はボディストレートを含む有効打で上回った。6回は渡部が左フックで阿部の体勢を崩せば、阿部も右フックから左に繋げ、シーソーゲームの展開に。7回は阿部のワンツーに対し、渡部が踏み込んでの右ストレートを返し、激しい攻防を繰り広げるもまったくの五分のまま最終8回を迎えた。先手を取ろうと踏み込む渡部に対し、阿部は最後まで距離を保ちながら左で迎え撃った。競ったかと思われた試合だが、ジャッジは3～6差で阿部に軍配。渡部は2連敗となった。