試合:両脇を大きく開けた奇妙な構えで前に出るレイモントに対し、藤本は下がりながら機をみて右をボディに伸ばす。奇声を発しながら繰り出すレイモントのパンチはオープン気味で、さして威力があるようには感じられず、また地域王座を奪う技量があるようはみえない。それでも藤本は慎重な構えを崩さず、足をつかって射程外に身を置いた。3回、藤本は右を浅く当ててのけぞらせたが、まだ深く踏み込みはしなかった。逆に挑戦者の右を浅く浴びるシーンもみられた。4回までの途中公開採点はジャッジ三者とも39対37で藤本リードだった。最重量級らしい迫力あるシーンがないまま試合は中盤に突入。この回、藤本は右をヒットして挑戦者をのけぞらせた。ラウンド終盤、藤本はさらに右をヒット、ダウンを奪った。辛うじて立ち上がったレイモントだが戦いを続けられる状態ではなく、レフェリーがカウントアウトした。