試合:顎の骨折によりリングから遠ざかっていた有川と、その間に暫定王座に就いた坂本の統一戦。大応援団に迎えられた暫定王者は、正規王者の射程の長く強いジャブを外しては懐を窺うが、1分半過ぎに右クロスを顔面に浴びダウン。しかし、レフェリーはスリップと判断。1ポイント取り損ねた有川は、さらにペースを強め主導権を奪いに出ると、1年のブランクを感じさせず、2回も強弱をつけた右ストレートで坂本に襲いかかった。被弾が目立ちはじめた坂本だったがこの回終盤、強引に押し込んだところで右フックを効かせ、有川の体勢を崩してみせた。3回、左ボディを好打した坂本に、今度は有川が右を振り抜き坂本の体を後方に弾いた。序盤からどちらが倒れてもおかしくはない展開に「アリカワ」、「サカモト」コールが会場に響き渡った。すると4回は、坂本が有川のワンツー、フックをモロに受けピンチ。辛うじて切り抜けたが、5回も有川の正確な右ストレート、左フックが坂本を捉え、このパンチにより坂本は左目上をカット。出血が酷く、直ちにドクターチェックとなり、続行不能と判断したレフェリーがここで試合を止めた。ヒッティングによる負傷のため、有川の5回TKO勝ちがコール。有川は3年半前、ノンタイトル戦で坂本に初回KOされた雪辱を果たすと同時に王座統一、2度目の防衛に成功した。