試合:13連続KOで世界まで登りつめた比嘉は、カンムリワシのテーマ曲「征服者」をバックに具志堅会長とのトレインで入場し、初防衛戦のリングに臨んだ。「レディース・アンド・ジェントルメン」でお馴染みのリングアナ、ジミー・レオンJr氏の登場でさらに会場は盛り上がり、「ダ～イゴ・ヒガ～」のコールで最高潮に達した。表情に気合が漲る比嘉は、ゴングと同時に低く飛び出すと偵察の時間をかけず、早くも下からアッパー、フックを連打で突き上げ、挑戦者を慌てさせた。マソンも比嘉のチャージをブロックでカバーしてはジャブ、ワンツーで対抗。早くも左目付近が赤く腫れだしたが、インターバルでは腰を降ろさず、次のラウンドに備えた。2回も比嘉にワンツーアッパーで攻め立てられたマソンは、もっと打ってこいと挑発。気の強さを見せると、逆にワンツーの連打で比嘉をコーナーに押し込んだ。調子を上げたマソンは、続く3回も速いジャブで試合を組み立て、比嘉に打たせては細かく左右を返し反撃。被弾が増えた比嘉は若干ペースを落とした。それでも4回は、強引にコーナーに詰めボディから上に連打。マソンも足を使って逃れるが、比嘉はそれを上回るプッシュでアッパーを連打。マソンのガードを徐々に破壊していった。この回までの途中採点は、39―37、40―36×2で比嘉がリード。5回に入ると比嘉のプレスがさらに強まり、カウンターの左フック、右クロスを含む上下のコンビネーションでマソンを追い込んだ。6回もフンフンと鼻息をあげて下から連打し、マソンの体をくの字に曲げた。さらにボディが効き、マソンが追い込まれると、KOを期待する場内は「イケイケ―!」と大歓声。マソンもしのぎ、前半のKOとはいかなかったが、7回に比嘉の左フックが挑戦者の右目を痛烈に捉えダウン。立ち上がったマソンだが、右目を痛め、ドクターチェックで続行不能と判断され終了。比嘉はデビューからの連続KO記録更新と初防衛を成功させた。勝利者インタビューで喜びを爆発させた比嘉は、「井岡さん、大晦日でもいいので統一戦をやりましょう」と希望した。