試合:14年と16年の全日本新人王でともに無敗、東西のスーパールーキーがこの舞台で激突。前回の予選を右ストレート一発で終わらせた阿久井は、サウスポー中谷の右ジャブを掻い潜りながら左フック、右ストレートを狙い、序盤から積極的に攻めた。先手を許した中谷は前の手を突き出し懐深く構えると、初回終了間際に左ストレートで阿久井の腰を落とした。2回、右と左のジャブの差し合いから、詰める阿久井に中谷も呼応し、ショートレンジでの打撃戦に発展。腹から上にフックの打ち合いとなったが、中谷の下から突き上げるアッパーが光った。3回以降も頭をつけての打ち合いが続き、パンチの正確さで上回った中谷が徐々に阿久井を押し込んでいった。中谷はまた、一歩引いては距離を作り、左ストレートをヒット。これも攻勢を印象づける材料になった。次第に手数でも差がつき、後半は中谷のアッパー、左ストレートのヒットが目立っていった。これまでダメージを感じさせなかった阿久井も6回に入ると後退。中谷の凄まじい連打を浴び、防戦一方となったところでレフェリーが割って入り、試合を止めた。中谷が13戦全勝10KOでユース王座を獲得し、大会MVPに選ばれた。